最近、医学療法士らのグループが、腰痛は姿勢の悪さによって引き起こされるものではない、とする論文を医学雑誌に発表しました。
私たちはよく、何かをするときは「正しい姿勢」でやらなければならないと言います。
しかし、腰痛に関していえば、姿勢がその原因である医学的証拠はありません。
正しい姿勢を維持するのではく、なるべく体を動かすほうがいい
理学療法士らは、姿勢は人によって異なるのが普通であり、前かがみの姿勢も本人がそれで快適なら問題ないと言っています。
特定の「正しい姿勢」を維持しようとがんばるより、なるべく体を動かし続け、必要に応じて姿勢を変えたほうが、健康にはいいのです。
座った姿勢もそれ自体が悪いわけではなく、体が動かなくなることが悪いわけです。
筋トレにも同じことが言える
この姿勢神話の崩壊は、フィットネスにもあてはまります。
ウエイトリフティングをするのに、必ずしも教科書どおりの完璧なニュートラルスパイン(正しい背骨の位置)が求められるわけではありません。
ウエイトリフティングの好ましい姿勢は、人それぞれでもともと異なっている脊柱の湾曲率によって変わります。
特定の姿勢をとるべきだとか、コアマッスルを引き締めろというアドバイスは、根拠に基づくものではありません(コアマッスルを引き締めると、より重いウエイトを持ち上げられるようになるかもしれませんが、それはまた別の話です)。
もっとも、この論文に書かれているアドバイスは、おもに医療の専門家に向けられたものですので、一般人である私やあなたに向けられたアドバイスとして単純に受け取ることはできません。
健康に不安を感じている人は、適切な専門家に相談してください。
とはいえ、少なくとも、座ったり持ち上げたりといった日常的な動作については、姿勢のことをあまり気にする必要がないことを覚えておくといいかもしれません。
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Image: Africa Studio/Shutterstock.com
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]