1988年に公開された劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」(富野由悠季監督)の4DX版の上映会が9月16日、ユナイテッド・シネマとしまえん(東京都練馬区)で開催され、モビルスーツデザインを担当した出渕裕さん、アニメ評論家の藤津亮太さんが登場した。νガンダムなどのデザインをまとめた出渕さんは、公開当時の同作の印象を「最初に見た印象は最悪でした。イヤなヤツしか出てこない。辟易(へきえき)とした」と明かし「見るたびに発見がある。編集でドラマをぶった切る。あれがいいテンポだったり、富野さんの編集のカラーが出ている」と話した。
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出渕さんは「エヴァンゲリオン」シリーズなどで知られる庵野秀明監督にも同作を勧めたといい「庵野君に『見返すといいんだよ。スルメのように味が出る』と言ったら、『そんなことはない!』と言っていたんだけど、その後、見返して『逆シャア、最高!』」となった」と明かした。
また、製作当時を「とにかく時間がなかった。僕が入る前に別の方が入っていた。クリス(永野護さん)がやっていたんです。時間がない中、どうしよう?となった」と振り返った。
富野監督には、クェス・パラヤが宇宙空間を飛び出して、シャア・アズナブルが乗るサザビーに向かうシーンについて「おかしいですよね?」と意見したことがあったといい、「富野さんは『何言っているの? NASAで宇宙空間でも息を止めたら大丈夫と言っている。お前は何も分かっていない!』と言われたんですよ。でも、後で『さっきのあれ、そんなに気になる?』と聞いてきたので『気になる』と言ったら『いじわる!』と言って去っていって(笑い)。この人、可愛いな……とキュンとした」と話した。
さらに「富野さん、意外にあの人は可愛いんですよ」 『∀ガンダム』の最終回に感動して、たまたま富野さんに会ったとき、『あの最終回があれば、∀を全肯定する』と言ったら、『ありがとう!』と抱きついてきたり……」と明かした。
「逆襲のシャア」は宇宙世紀0093年、シャア・アズナブルが新生ネオ・ジオン軍を率い、自らが総帥となって地球連邦政府に対して再び戦いを挑み、地球連邦軍のロンド・ベル隊のアムロ・レイがシャアの暴挙を阻止するために戦う姿を描いた。「ガンダム」シリーズの40周年記念プロジェクト「ガンダム映像新体験TOUR」の一環で、初めて4DX化された。4DX版は9月26日まで上映される。
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