Amazonがアルゴリズムを「収益が高いもの優先で表示」に変更?内部対立も。→ Amazonはこれを否定

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Amazonがアルゴリズムを「収益が高いもの優先で表示」に変更?内部対立も。→ Amazonはこれを否定
Image: David Ryder / ゲッティイメージズ

利益優先の姿勢?

ネタ元のウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が、独占でAmazonのアルゴリズム変更を報道。いわく、最も利益をうむ商品を優先して表示するようになったAmazonのやり方に、内部でも対立が生じているといいます

WSJが話を聞いたのは、AmazonのA9検索チームと社内弁護士チーム。アルゴリズムが秘密裏に変更され、最も収益性が高いアイテムを優先して表示する仕様になっているという情報を得ました。Amazon市場の全体の利益が高まるだけでなく、Amazonプライベートブランドがますます売上をアップすることになるのが狙い。プライベートブランドは、そもそもAmazonの利益を重視して作られていますから、そりゃもちろん収益が高いアイテムですもの。

利益最優先の姿勢をめぐって、社内では対立が起きているといいます。法務チームと商品検索を担当するA9チームが、今回のアルゴリズム変更には反対、大きな不満を持っているのだとか。法務チームは、公にされていない新仕様が独占禁止法で今後問題になる可能性があると指摘。リテール部門から長く圧力をかけられていたA9チームは、利益優先の検索表示には賛同していない様子。

たとえば、スーパーやドラッグストアでは、一般商品のすぐ横に、比較的安価なプライベートブランドの同商品を置くことで売上を伸ばすというディスプレイの方法があります。しかし、考慮すべき(Amazonが忘れたフリしがち)なのは、リアル店舗とネットストアにおいて、同じ手法がフェアに使えるのかという疑問。オンラインマーケットのおよそ38パーセントがAmazonの支配下にあると言われる今、棚のディスプレイ方法というシンプルなやり方は、市場の38%の棚の上でやるということなのです。考えると恐ろしい手段であり、安易にリアル店舗でやってるから!と割り切れないものがあります。

米Gizmodoの取材に、WSJの報道誤りであるとの回答がAmazonから届いています。以下、Amazonコメント。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道は誤解です。匿名から寄せられた「スクープ」は、事実と異なると説明したにもかかわらず、WSJは記事公開に踏み切りました。事実、検索アイテムの表示ランクの基準は、利益優先に変更されていません。自社製品、パートナー企業の製品かかわらず、顧客が欲しがるだろうアイテムを優先表示しています。どのお店も同じでしょうが、我々も特集・優先する商品については利益を考慮します。ただ、それのみで表示を決めるわけではありません。

また、Amazon担当者いわく、プライベートブランドによる売上は全体の1パーセントほどで、パートナー企業の製品と比べて明らかに売上が高いという指摘には反論の余地大アリとのこと。

WSJの報道がどこまで事実に即しているのかはさておき、この報道後、Amazonの株価は1.9パーセント下落(アメリカ現地時間9月17日00:53時点)。大手テック企業GAFA4社に、独占禁止法違反違反の疑いがかかる今、Amazonにとってはさらに痛手の報道となりました。

Source: WSJ