『エイリアン』ってホラー映画の中でも一線を画していると思います。
何から褒めればいいかわからないんですが、とりあえず、H・R・ギーガーのゼノモーフのデザインは神。いや、大げさでもなんでもなく、本当に神。だって、ちょっと考えてください。SF映画で全身見せてもちゃんと怖く見えるエイリアンってゼノモーフ以外にいますか? プレデターがギリギリ張り合うかな、と思いますが、それ以外は限りなくデザイン以外の部分に頼って怖くしているだけで、デザイン一本勝負の場合、ゼノモーフの右に出る洗練された恐怖美ってないと思うんですよ。
それとキャッチフレーズですね。「In space no one can hear you scream.(宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない)」。これ、これですよ。宇宙は真空だから音は届かないという事実と、「叫んだって無駄」という絶望感がたったワンフレーズで説明されちゃっているんです。これはヤバし! 映画見る前からガクブルです。
つまり、何が言いたいのかというと、『エイリアン』は本編以外の部分も素晴らしいということなんですね。そんな『エイリアン』の苦労は、『エイリアン』の栄誉を傷つけずに、いい作品を作り出していくこと。もう途中からヤケクソになっているような設定やクロスオーバーが出てきたりもしていますが、『エイリアン』は『エイリアン』であり続けるために苦労しているわけです。
さて、むちゃくちゃ前置きが長くなりましたが、そんな『エイリアン』さんは、新作ドキュメンタリー『Memory: The Origins of Alien』の公開を控えているんですね。すでに今年初めのサンダンス映画祭で公開されたんですが、10月4日の公開を前にやっとポスターがお披露目されたんですよ。
それがコレ。
いいじゃないですか。このゼノモーフのスケッチ。ゼノモーフの周りには、ゼノモーフのアイディアらしきものがいろいろと描かれていますね。製作中は、リドリー・スコット監督やギーガーがこんな風にアイディアを書いていたのかな、と想像させるようなデザインですね。いやー、よく考えられてらっしゃる。
デザインを担当したのは、デザイン会社のGRAVILLIS INC.。『ボヘミアン・ラプソディ』のポスターを手がけた会社、といったら「おお!」となるかもしれません。
『エイリアン』の制作秘話はすでに結構知られていますが、『Memory: The Origins of Alien』には裏側の新フッテージがたくさん詰まっているから新発見も多いみたい。
10月4日にアメリカの劇場とビデオ・オン・デマンドで公開ですよ(残念ながら日本では未定…)。
Source: Screen Media, YouTube