AppleとEUが真っ向対決!「追徴課税金130億ユーロなんて非常識すぎる!」

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AppleとEUが真っ向対決!「追徴課税金130億ユーロなんて非常識すぎる!」
Image: Gizmodo US

いったい、どれだけ稼いでるんだろう…。

欧州連合(EU)とAppleは巨額の追徴税の支払いをめぐって対立していますが、その一審にあたる審理が今朝EU司法裁判所で開かれました。EU側の主張は、「Appleは追徴税130億ユーロ(約1兆5500億円)をアイルランドに支払うべき」というものですが、今朝の陳述でApple側はこれを「非現実的で非常識だ」と真っ向から反論しました。

Appleは税金対策として、EUでもっとも法人税が低いアイルランドに欧州本部を置いていて、2014年に支払った法人税も税率0.005%という低水準。その後、2016年にEUから追徴課税金を支払うように通告されています。これに対してAppleの顧問弁護士は、EUが「あえて小さな数字を持ち出して、マスコミを騒がせている」と主張。

(ちなみに財務省が公表している諸外国の法人実効税率をみると、フランスが31%、ドイツが29.89%となっていますから、これはかなりの節税になっているはずですねー)。

ロイター通信によると、Appleのダニエル・ビアード弁護士は昨日EU司法裁判所で「欧州委員会はアメリカ以外での売り上げによる収益がすべて、アイルランドにある2つの支店に帰すると主張している」と、EU側の不当性をアピールしています。

ビアード弁護士は「iPhoneからApp Storeまで、Appleの製品はすべてアメリカ国内で開発されており、ヨーロッパの別の地域で得た利益までアイルランドの本部に結びつけようとするのは不公平だ」と指摘したとのこと。ちなみに、昨年Appleの収益は112億ドル(約1兆2120億2000万円)でしたが、アメリカで納めた連邦税額は、なんと0ドル(どんな節税対策したかは知りませんが、さすがにこれには批判が集まっています)。

さらにビアード弁護士は、EU司法裁判所がどうしてもAppleから利益を回収したいなら、「国際税制を変更するべき」とまで言っています。まあ、いくらEUでも世界を巻き込んで税制を変える、というのは至難の業ですから、これは少々無理難題気味です。

EU対Appleの構図が激化していますが、当事者のアイルランドはApple側を支持しており、代理人を務めるポール・ギャラガー弁護士もまた、「委員会の決定には根本的な欠陥がある」と裁判所に伝えました。低い税率で世界の企業を誘致していますから、多国籍企業のタックスヘイブン的存在でいたいのでしょうね。

アイルランドのAppleにも問い合わせ中ですが、今のところコメントは出されていません。