テクノロジーの進化により、生活は日に日に成熟していきます。一利用者としては便利で快適ですが、その開発現場には多くの苦労が隠れているのかもしれません。
IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)に、システム・トラブル解決のプロが登場していました。ITの知識や経験だけではない、トラブルシューターに必要な「意外な素養」とは一体どのようなものでしょうか。
ピリピリしがちなトラブル現場。最も重要なのは、知識や経験より「自信」
インタビューに登場していたのは、「システム・トラブル解決率100%」を誇る技術集団、Airitech株式会社代表取締役の山﨑政憲さん。
子どもの頃からプログラミングが大好きで、典型的な「オタク少年」だったという山﨑さん。就職したばかりの頃、担当外のシステム・トラブルを解決したところ非常に感謝され、「こんなに人から頼りにされ、喜ばれる仕事はないのでは」と起業を決意したといいます。
同業の方はご存知の通り、あらゆるシステムにはバグやトラブルがつきもの。山﨑さんは「コンピューターは人間の指示通りに動く。トラブルが発生しているのは、人間の指示が間違っているからだ」という信念を持ち、日々の業務に向き合っているといいます。
トラブル解決のため、開発したプログラムの不具合、ネットワークやサーバーなどを根気よく調査し、原因の切り分けを行っていくという同社。当然ながらテクノロジーの知識や経験が必須ですが、山﨑さんいわく、優れたトラブルシューターに必要なものはそれだけではないといいます。
不安に襲われている現場で最も大事なことは、正しい調査結果を自信を持って説明する姿だというのです。
トラブルが起きている現場は、とかくピリピリしがち。山﨑さんもそんな現場を多く経験したそうですが、見事難題を解決しみんなが笑顔になる様から、「まるで名探偵のような人」と評価されているそうで、以下のように語っています。
皆が笑顔になるには、大前提として皆で解決しようという方向に向いていないとダメだと思うのです。誰かが責められている現場だとどうにもなりません。マネージャーにもエンジニアにも働いてもらわなければなりません。皆が動いて解決するから、皆でやって良かったねと、そこに笑顔が生まれるのです。
得意なことをしっかり伸ばす。発達障害を持つ社員も生き生きと働ける環境づくり
山﨑さん率いるAiritech社では、発達障害がある方も積極的に採用しているといいます。
これまで、発達障害がある方はうまく仕事ができない、本人もどうしていいか分からず困惑するといった状況は何度かあったそう。しかし山﨑さんは、マネージャーであればそんな時こそ突き放すことなく、「まだ得意分野が見つかってないだけだ」と前向きに考えるべきだと指摘します。
「ベスト・パフォーマンスが出せるところに配置すると、必ず成果が出ます。それが見つかると一緒に喜べる」と語る山﨑さん。管理する側の心構えとして以下のように語っています。
交渉とかマネージメントは苦手だけど、プログラミングでは他を圧倒するパフォーマンスを出すのであれば、それでいいじゃないですか。得意なことはしっかり伸ばしてあげましょうよ。
(中略)
大抵の場合は、勘違いで物事が進んでしまったために結果がついてこないケースが多いので、ちょっとやったら進捗状況を聞いてあげる。何か問題がないか、正しく理解できているか確認しながらやっていくだけで、メキメキと力を発揮してくれるようになります。管理職は、そうした部下の力を引き出すことも重要な役割だと思います。
他にも、トラブルシュートで社会のインフラを支えたいという今後の展望など、IT関係者や管理職必読のインタビューは、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。
Image: Mugendai(無限大)
Source: Mugendai(無限大)