甘そう…!
何だかスイーツのドアップみたいな画像ですが、実はこれ、火星の北極にある砂丘の最新画像なんです。
今週、欧州宇宙機関(ESA)はロスコスモスとの探査ミッション「エクソマーズ」のトレース・ガス・オービター(TGO)に搭載された多色ステレオ表面撮像システム(CaSSIS)が捉えた、氷に覆われた砂丘の画像を公開しました。黒いまだら模様の正体は、氷から噴出したガスが地表に吹き上げた砂だったのです。
こちらが全体像 。
火星の砂丘は地球のと同じように、堆積物が風に動かされて形成されます。ESAのプレスリリースによれば、科学者らは砂丘の配置を観測することで、卓越風向の手がかりが得られるんだとか。この画像は、凍結した二酸化炭素が昇華して気体になって、氷で覆われた地表へと噴出する際に黒ずんだ砂を吹き上げた様子を示しています。
火星の極圏はすでに研究の対象となっていて、液体の水を含む大量の水が存在すると考えられています。ですが、トレース・ガス・オービターはメタンのようなこの惑星のガスに関する情報も求めているのです。これまでの研究では、火星のメタン濃度が季節ごとに変化し、今年は上昇したことが明らかになりました。研究者らは地理的そして生物学的な視点から、この惑星がどれほど活発かを理解したいと考えています。
トレース・ガス・オービターのCaSSISはダストデビルが原因と考えられる蜘蛛のような模様や、衝突クレーターの広大な景色など、これまでにもたくさんの珍しい光景も撮影してきました。
今後もどんな絶景を見せてくれるのか楽しみです。
Source: ESA,