自ら消毒するドアハンドルがダイソン賞に

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  • author 岡本玄介
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自ら消毒するドアハンドルがダイソン賞に
Image: boredpanda

潔癖症の人には嬉しい発明!

公共の場にあるトイレ入り口のドアノブ…あれ、触るのちょっとだけイヤじゃないですか? まぁトイレに限らず、ドアノブを握らないと出入りできないタイプの扉(および吊り革など)は、他人の手垢とか脂とか、目に見えないバイ菌が自分に付きそうで可能な限り遠慮したいって人はいます。

ということで、そんなキレイ好きの皆さんに朗報です。香港大学にいるふたりの学生が、自ら消毒するドアハンドルを発明し、ジェームズ・ダイソン賞を貰ったというのです。

ジェームズ・ダイソン・アワード

サイクロン掃除機でお馴染みのダイソンですが、実は商・工業デザイン、エンジニアリングを専攻している学生、または若きエンジニア/デザイナーたちが応募できるプロダクト・コンテスト、「ジェームズ・ダイソン・アワード」というイベントを実施しています。

酸化チタンを粉末にし、紫外線を照射

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Image: boredpanda

boredpandaによりますと、発明したのは、Sum Ming Wong君とKin Pong Li君のコンビ。彼らが目を付けたのは、常々科学的な性質を研究していたという酸化チタンでした。ふたりはかねてより、酸化チタンが滅菌に効果的な作用を発揮することを発見しており、今回の発明では微細な粉末状にすり潰し、ハンドルに使うことを思い付いたのだそうです。

なお、酸化チタンは紫外線により活性化することから、粉末で覆ったガラス管の上下から紫外線を放射する装置を考案。ハンドルが光る度に、殺菌が起こる仕組みを生み出したのです。

殺人的な感染症を予防することに繋がる

これにより、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、口蹄疫、カンジダ・アウリスといった感染症が広がるのを抑えることにも繋がります。手垢や脂は消えないにせよ、危険な病気にかかるリスクが減るのです。

だからといって、用を済ませたあとに手を洗わなくても良い、というワケではありませんよ? 念のため。

他の素材じゃダメなの?

真鍮でも殺菌効果が得られますが、こうした金属は触ったあとの匂いが気になりますよね。ついでに濡れた手で触ればの原因にもなります。なのでこの発明が最高か? と聞かれれば、これには電力が必要になりますし、特に子供の目の高さにあるので、もし紫外線を直に見たら目に悪影響がないとも限りません。なのでどこまで実用化に繋がるのか見ものですね。

こうして受賞し世界に注目されれば、企業のサポートなどにより、ちゃんとした製品という形で羽ばたくかもしれません。潔癖気味の人たちは特に! 今後の発展に期待したいですね。

Source: boredpanda