2~4歳くらいの幼児がいらっしゃる方は、子どもに「ちょっと待ってね」と声をかけたときのことを思い出してみてください。
「待って」と頼んだばかりに、かえって子どもの「どうしても今これが欲しい!」という気持ちをあおってしまい、おねだりが止まらなくなったことはありませんか?
この年代の幼児にはさまざまな特徴がありますが、忍耐心はまだ備わっていません。ようやく我慢を覚え始めたところなので、忍耐心を上手に養っていく必要があります。
でも、子どもの忍耐心がうまく育たないのは、親の教え方に問題がある、というのもありがちな話です。
『赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ』という著書で知られる小児科医ハーヴェイ・カープ博士は、Happiest Babyのブログ投稿で、子どもの忍耐心を鍛えるテクニックを解説しています。
この方法は、2~4歳くらいの子どもに(たとえわずかな時間でも)「待つ」ことを学んでもらうのに役立つはずです。
では、カープ博士直伝のテクニックをご紹介しましょう。
欲しいものは、すぐに与えない

2~4歳くらいの子どもが何かを欲しいと言い出した場合、親はまず、欲しいものの名前を反復し、「欲しいものについてはわかっている」ことを伝えて安心させましょう。
子どもがコップを指さしたら「ああ、もっとミルクが欲しいんだね!」。寝る前なら、「あの絵本がまた読みたいんだね!」と反応してあげるのです。
その次に親は、すぐに子どもの願いをかなえるそぶりを見せるべきだと、カープ博士はアドバイスしています。
でも…親はここで指を一本立て、きっぱりと子どもに伝えてください。
何か大事なことを思い出したかのように「待って!待って!ちょっとだけ!」と大声で告げたら、子どもに背中を向け、何かを探しているふりをするのです。
一度待たせてから、今度は本当に与える
親は、こうしてほんの少しの間、探しているふりをしたら、また子どもの側に向き直り、希望通りミルクを渡したり、絵本を読んであげたりしましょう。
でもその前に、「よく待てたね!」と言って、子どもを褒めることを忘れないでください。
カープ博士によると、褒められたことで、子どもは「待つのも悪くない」と学ぶそうです。
また、親に待つように言われても、親がちゃんと約束を守り、あとで自分の要求に応えてくれると理解するようになります。
最初は毎日、5秒待ってもらうところから始めます。そこから10秒、20秒、30秒と、我慢する時間を徐々に延ばしていきましょう。
上級編:タイマーを活用する

子どもが長く待てるようになってきたら、次のステップとして、タイマーを活用してさらに練習すると良いと、カープ博士はアドバイスします。
子どもの気持ちが落ち着いている時を見計らって、タイマーの仕組みを教えます。
「ほら、見ていてね! タイマーが『チン!』と鳴ったら(ここでタイマーを鳴らす)、ママがすぐに戻ってくるよ!」というように。
その後で、3歳のお子さんが何かが欲しいと言ってダダをこね出したら、「わかった!」と言って、欲しがっているものを与えようというそぶりをした上で、急に動きをストップして、こう言ってください。
「ちょっとだけ待ってね! ママはパパのところに行かないといけないから、タイマーが『チン!』と鳴ったら、それをあげるね」
(タイマーが鳴るまで、子どもに遊ぶ、あるいは本を読むように促しても良いですが、無理強いは禁物です)。
こちらの場合も、20秒といった短い時間から始めて、1~2分まで延ばしていきましょう。
カープ博士によれば、時々タイマーを短めの時間にセットして変化をつけると、子どもは思ったより時間が過ぎるのが早いという印象を受けるので、効果的だとのことです。
また、子どもが辛抱強く待てた時は、欲しがっていたものとは別に、特別なおやつなどのご褒美をあげるのも良いそう。
最初は、子どもをじらして苦しめているようにも思えますが、じらすのとは違うと、カープ博士は言います。
「(じらすとは、)欲しいものを与えるつもりはないのに、その気があるフリをして、子どもを苦しめる行為です」と博士は指摘します。
反対に、ここで述べたような忍耐心の訓練では、子どもが一定の時間待つことができれば、実際に子どもが欲しいものをきちんと与えているので、約束は守られているというわけです。
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Image: Shutterstock.com
Source: Happiest Baby
Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文]