Uber創業者、泥舟から脱出

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Uber創業者、泥舟から脱出
Image: Justin Sullivan / ゲッティイメージズ

羨ましい…

配車サービスのUberの前CEOで、その成長を支えたTravis Kalanick(トラビス・カラニック)氏が、取締役を辞任することが発表されました。Kalanick氏は、保有していた会社の株式もすべて売却しています。

Kalanick氏は2019年12月31日に正式に取締役を辞任しました。同氏の騒動やスキャンダルをおさめるために雇われた現CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスローシャヒ)氏は、「Kalanick氏がUberの創業で成し遂げたような功績は、他には見当たらない。彼のUberにおけるビジョンと粘り強さ、取締役としての専門性に、非常に感謝しています」「Uberで働くすべての従業員が、彼の幸運を祈っています」と伝えています。

Kalanick氏はすでに新しいビジネスに取り組んでいる

CNBCの報道によると、Uberの最新の報告ではKalanick氏の持ち株は約25億ドル(約2700億円)だったとされていますが、昨年11月にロックアップ期間が終了して以来、株の売却を始めていました。Uberによれば、Kalanick氏は「新しいビジネスや慈善活動」に取り組んでいるそうです。

Uberは規制当局や競合他社との脅威に直面していて、何十億ドルもの資金を投入し続けなければいけないビジネスモデルにも頭を悩ませています。同社の2019年の新規株式公開は米国株式市場史上最悪のパフォーマンスで、さらに株価は下落を続けています。

在任中はさまざまな問題も

Kalanick氏が在任中、Uberはその中核であるタクシー配車事業で働く低賃金の請負業者との労働争議職場でのセクハラや顧客への暴行の報告に対する組織的な不正、現地の法律や規制に対する軽視など、数々のスキャンダルが起きていました。Kalanick自身も2017年初め、破産したUberの運転手に向かって絶叫するところを撮影され、大きな問題となりました。

2017年6月にCEOを辞任させられた後も、Kalanick氏は会社の経営陣と取締役会にとって何ヶ月ものあいだ大きな頭痛の種でした。Kalanick氏が権力を回復するために活動しているという見かたも広まっていました。そして取締役会は最終的に、Kalanick氏の残りの支配権のほとんどを剥奪することを投票で決定しました。それ以来、彼は投資ファンドに携わりながら、新しいスタートアップ「cloud kitchen(クラウドキッチン)」で名が知られるようになりました。2019年初めのUberのIPOではセレモニーに呼ばれていません(手続きのためにニューヨーク証券取引所のフロアにはいたようです)。

Source: Gizmodo US