斜め上からの、エモいスマートデバイスでした。
CES 2020で、日本のハードウェアスタートアップ企業「mui Lab」とワコムが協働して開発した「柱の記憶」コンセプチュアルモデルが展示されていました。つまり、スマート木の柱です。
世界共通の習慣である「子供の成長を、家の柱にペンで記録する行為」をスマートに再現したそうです。
この製品はMui Labのスマートディスプレイの新バージョン。1年前のCES 2019で、Mui Labが展示した木製スマートホームインターフェースは、ガラスやプラスチック、ツヤツヤした金属製のスマートハブだらけの製品からは際立って、美観に優れ、ぬくもりを感じるスマートデバイスとして異彩を放っていました。
「柱の記憶」は、白い単色ディスプレイの上に薄い木製のベニヤが張られています。ローファイですが安っぽく見えません。これは、昔のNike FuelBandフィットネストラッカーで使用していたディスプレイと同じような効果ですが、「柱の記憶」の白色LEDの明るさは、木の質感と調和しています。
「柱の記憶」は、長年クリエイティブ市場を牽引してきたワコムのスタイラステクノロジーとの共創で、タッチスクリーン操作を前進させています。ワコムが提供するデジタルペンで子供の身長をマークすると、クラウド経由で近くの衣装箱にそのデータが表示される仕組みになっています。また、史上最年少で萩原朔太郎賞を受賞した詩人の三角みづ紀(みすみみづき)氏の詩も表示され、テクノロジーが優しく日常に溶け込む体験を表現しています。
しかし、オリジナルの「mui1st edition」が、500ドル(約55,000円)から発売されていたことを考えると、「柱の記憶」の方は、価格も高額になるでしょうし、実用性をもう少し提示する必要があるでしょう。例えば猫の爪とぎのための、スマート木の柱とか。