これ欲しい!
スマートフォンは、カメラがどんどん進化しています。といいますか、カメラがスゴくなったので新モデルに買い替えるというユーザーが本当に増えているのではないでしょうか? でも、だんだん背面の出っ張りですとか、数が増えるレンズの存在感が大きくなってきて、ゴツいダサいデザインしか採用できなくなりつつあることも否めませんよね?
ところが、このほどOnePlusは、高級車メーカーのMcLaren(マクラーレン)と共同開発した「Concept One」を、米国ラスベガスで開催中のCES 2020にて展示。なんと、使っていないときは背面のトリプルレンズのカメラが、まるで見えなくなってしまう特殊技術が採用されています。
Concept Oneの秘密は、エレクトロクロミックガラス(ECガラス)という、McLaren 720Sのサンルーフにも使用されている技術にあります。Boeing 787の航空機の窓にも使われているもので、電流を用いてガラスの透明度を変えることができるんですよね。だから、使わないときはまるでカメラレンズが搭載されていないかのように隠してしまうことができるんです。
ガラスの透明度によるマジックなので、強い光を当てるとカメラレンズがっすらと見えてしまいます。でも、通常はゴツいレンズの存在を隠してスマートなデザインに見せられるメリットは大きいのでは?
ECガラスは、数千万円のスポーツカーに採用されている特殊技術でもあるため、大衆向けのスマホでの採用は現時点では異例でしょう。OnePlusも、Concept Oneはあくまでもコンセプトモデルで、市販の予定はないとしています。
ただし、スマートフォンにすっきり採用するため、開発に開発を重ね、わずか0.35mmの薄さに仕上げてきました。また、通常は不透明から透明への移行に数秒かかるのを、カメラアプリの起動から、わずか0.7秒でレンズを使える状態にできるスピードも実現したとされています。
ただレンズの存在を隠すのみならず、このECガラスの透明度を自由自在に変えられることを利用して、特殊な撮影効果も得られる機能が追加されています。たとえば、上の写真の左側は通常の撮影モードですけど、右側のようにECガラスで透明度を変え、露出およびISO感度を調節するフィルターをかけた写真が撮れるようになっているんだとか。まだ、その完成度はイマイチのようにも思えましたけど…。
さらにConcept Oneでは、高級感を増すデザインに、24金(24K)ゴールドとアルミシャフトの美しいフレームを採用。これも確かに見た目は最高です。ただし、それ以上のメリットは見出せませんでしたけどね。
パパイヤオレンジのレザー仕様というデザインも、やはり目立ちます。McLaren 720Sの内装に用いられているのと同じレザーというところが、ファンにはたまらないコラボでしょうか?
しかしながら、背面への注力ぶりとはうって変わって、フロントデザインはほぼ市販されている「OnePlus 7T Pro McLaren 5G」モデルと同じ仕様という、拍子抜けした発表でもありました。これまでのコンセプトを一新する大発表なんて期待されていただけに、もう少しブッ飛んだ製品を心待ちにしていた人も多かったのでは?
ECガラスを用いたアイデアには光るものがありましたけど、時代はもっと強烈なインパクトを欲しているはず。来年のCESで、さらなるOnePlusの挑戦を期待するとしましょう。
なお、ECガラスには耐久性の問題もあるため、毎日何度も使うスマートフォンへの正式採用まではまだまだ時間がかかると説明されています。そのうち、これが標準仕様となる時代がやってくるのかもしれませんけどね。