「CES」は「シーイーエス」と読みます。
年明けすぐ、現地時間1月5日からラスベガスで開催されたCES 2020。今年もありとあらゆるジャンルからたくさんの製品が発表されましたね。
もともとは家電の見本市でしたが、今ではテックを扱う世界最大の展示会。会場がデカすぎてまわるのが大変ですが、今年1年のテックトレンドを肌で感じられます。
今回はじめて参加してきたので、個人的に注目した「折りたたみガジェット」「完全ワイヤレスイヤホン」「モビリティ」の3つについて2020年の楽しみなことを書いていきたいと思います。
ガジェットは折りたたまれていく運命?
サムスンの折りたたみスマホが話題になった2019年。そして2020年の早々から世界初の折りたたみノートPC「ThnkPad X1 Fold」がレノボから登場しました。
みなさん折りたたみってどうですか?「いらないでしょ」とか「おもしろいけどまだ先の話」なんて思ってませんでした?
ところがですよ、CESのフタを開けてみれば…
スマホメーカーのブースは、スキあらば折りたたみスマホ。
デルも折り曲がるディスプレイと2画面タイプの折りたたみPCコンセプトを発表しています。
折りたたみスマホの始祖FlexPaiの扱いが雑な件 #CES2020pic.twitter.com/dzkWy1QTjv
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) January 9, 2020
元祖折りたたみスマホFlexPai、もはやオモチャとして扱われるくらいありふれた存在に。
「折りたたんで当然でしょ?」という空気すら感じるCES会場でした。僕らの意思に関係なく、ガジェットは折りたたまれていく運命なのかもしれません。
でも、折りたためばいいってもんじゃなくて、必然性が欲しいなぁって思います。CESで展示されていた中でいちばん必然性を感じたのはLenovoでもDellでもなく、モトローラの「Razr(レイザー)」。
僕は今回のCESで初めて触ったのですが、折りたたんだ時のコンパクトさに一目惚れ。パカっと開いたら大画面の普通のスマホです。
フィーチャーフォン時代のRazrの遺伝子を受け継いだまま大画面スマホをデザインするには、スクリーンを折りたたむしかない。Razrが折りたたみスマホになったのは必然だったのだと思います。
ThinkPad X1 Foldのように折りたためること自体が主役になるガジェット。
それに対してRazrのような目指すデザインのために折りたたみが採用されるガジェット。
どちらも魅力的ですが、個人的に2020年には後者のようなプロダクトをもっと見たいなぁと思います。
完全ワイヤレスイヤホンはどこへ行く?
CESの会場で一番といってもいいくらい数が多かった完全ワイヤレスイヤホン。その中でもJabra(ジャブラ)は、他のブースと全然違う取り組みをやっていました。
「MySound」という新機能のデモです。MySoundはイヤホンとアプリを使って聴覚テストを実施。その結果をもとに自分に最適な音質設定を作る機能です。試したところ効果てきめんでした。
この機能、補聴器の聞こえを調整する仕組みに近いとのことです。補聴器メーカーでもあるJabraがイヤホンを作るとなるほどこうなるのか、と感心しました。
今は音楽のための機能ですが、もしかしたら補聴器や集音器のような使い方がイヤホンでできるようになるかも。どんなヒソヒソ話も聞き逃さない「地獄耳」機能とかどうですか?
2019年はノイズキャンセリングつき完全ワイヤレスイヤホンがブームでしたが、2020年は音楽を聴くためだけではなく、僕らの耳をより便利に拡張してくれるイヤホンが増えるのかもしれません。Bluetoothのあたらしい規格も発表されましたし、これからも新製品がどっさりでてきそうです。
未来のクルマよりも未来の街が楽しみ
自動運転車やコネクテッドカーが展示されるモビリティの展示エリアはすごく広くてゴージャスでした。
でも本音を言うと、どれもピンとこなくて楽しくなかったんですよね。僕が未熟だからって言われたらそうかもしれないんですが…。
未熟なりに考えたんですけど、楽しくないのはこのスマートなクルマたちがちゃんと走っている世界が想像できないからかもしれません。
自動運転車やコネクテッドカーが本当に便利になるには、プラットフォームとなる「スマートシティ」ってやつが必要です。
スマホがあってもAppleやGoogleのプラットフォームがないと意味がないのと同じで、未来の車があっても未来の街がないとワクワクできないんですよね。
スマートシティはまだ誰も見たことのないものですし、これから法律やらインフラやらを国や企業が整えていかなきゃいけないんです。
トヨタのWOVEN CITYはこんな感じの街?#CES2020pic.twitter.com/SRtmsoaDOu
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) January 8, 2020
そんな中、CESで基調講演をしたのがトヨタでした。あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「WOVEN CITY」を街ごと0から作ると発表したのです。
「スマートシティなんて作ってみなきゃわかんないっしょ?とりあえず俺たちが作ってみるからまぁ見ててよ!」と先陣をきるような、男気ある発表だったなぁと思います。
どんな街になるのか、詳しいことは発表されていません。できあがったら全然期待はずれかもしれません。でもCESのモビリティのエリアで、クルマだけではなくそのクルマが走る「街」もいっしょに展示していたのはトヨタだけでしたよ。
2020年のモビリティは乗り物だけじゃなく、街全体にもスポットをあてられたらいいなぁと思います。