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AKB48グループのライブをVRで毎日最前列体験、AKSとソフトバンクが2月から

2020.01.17

Updated by Naohisa Iwamoto on January 17, 2020, 06:00 am JST

プラチナチケットになっているアイドルやアーティストのライブに参戦したい。こうした願いを叶えるサービスが始まる。ソフトバンクが提供するスマートフォン向け仮想VR(仮想現実)プラットフォームアプリ「LiVR(ライブイアール)」に追加される、AKB48グループの有料チャンネルがそれだ。最前列よりも前の臨場感あふれる視点で、劇場の公演をリアルタイムに体験できる。

▼VRライブ配信の発表会に登壇したAKB48グループのメンバー(左からNGT48本間日陽さん、NMB48白間美瑠さん、AKB48柏木由紀さん、SKE48須田亜香さん、HKT48田中美久さん、STU48瀧野由美さん)

サービスは、AKB48グループの運営を行うAKSとソフトバンクが共同で提供する。2020年2月3日にサービスを開始し、秋葉原のAKB48劇場(東京都千代田区)、栄のSKE48劇場(名古屋市中区)、新潟のNGT48劇場(新潟市中央区)の3劇場のライブエンターテイメントを、全公演中継する。劇場には客席最前列のさらに舞台よりのセンター、上手、下手に3台のVRカメラを用意し、ユーザーはVRゴーグルの視線で自由に視点を変えながら視聴できる。3劇場で同時に公演が行われている場合には、劇場間の”瞬間移動”も可能だ。

スマートフォンにLiVRのアプリをダウンロードすることで、契約しているキャリアを問わずに利用できる。サービス開始時点では4GおよびWi-Fiを通信回線に利用して視聴する。月額料金(税込み、以下同)は劇場ごとに3300円、3劇場の公演を視聴できるパックは8400円とリーズナブルに設定した。1日視聴券(1100円)も販売する。ソフトバンク 常務執行役員 サービス企画本部 本部長の寺尾洋幸氏は、「AKBのライブの公演の料金が3000円程度であり、1公演分の料金を払うことで毎日のようにライブエンターテイメントを体験できる。なかなか入れないライブ会場の体験を、いつでもどこでも味わえるようにすることでライブの価値を無限大していきたい」と語る。

▼5G時代にはライブ会場が無限大に広がると語るソフトバンクの寺尾常務執行役員

5Gのコンテンツとして多様なエンターテイメントや産業利用の実験が行われている中で、ソフトバンクとしては今回のAKSとのライブVR配信の取り組みも、今後の5G時代に向けた新しいサービスの形の1つとして捉えている。そのため、毎日の公演をVRでリアルタイム配信するサービスを運営面から検証することも狙いに含まれている。

発表会の会場でVRを体験したAKB48の柏木由紀さんは、「立体感があるから本当に目の前にメンバーがいるみたいです。手を伸ばせば触れそう。最前列よりも本当に近くて興奮します」と感想を語った。「何が起こるかわからないライブの臨場感が、蓄積型のコンテンツとは異なる価値をもたらすのではないか」(寺尾氏)と5G時代に向けたコンテンツの成長に期待を寄せる。

【報道発表資料】
AKB48グループ初、劇場公演のVRライブ配信を「LiVR」で2月3日に提供開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。