ラスベガスで走る自動運転タクシーにライドオン!自然すぎてリアクションに困りました

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ラスベガスで走る自動運転タクシーにライドオン!自然すぎてリアクションに困りました
Photo: amito

ラスベガスでは30台しか走ってないらしい!

CES2020ではソニーが車を発表したり、トヨタの実証都市「Woven City」が話題になりました。実はCESが毎年開催されるラスベガス、ライドシェアの「Lyft」が自動運転技術を開発する「Aptiv」と手を組んで、レベル4の自動運転タクシーを実験しています。2018年5月のスタートから2年近くも自動運転車が街を走っているんです。つまりLyftで車を呼ぶと、運が良ければ自動運転タクシーに乗れるってこと。

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Photo: amito

そしてなんと、僕たちギズモード編集部は見事その自動運転車を引き当てることができました!

乗った感想は「リアクションに困った」というのが正直なところ。どんな体験だったのか、ちらっとご紹介します。

自動運転車が見ている景色

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Image: amito

その車を呼んだのはホテルからストラトスフィアタワーに向かうまでの道のり。大通りをまっすぐ20分ほど走って左折して建物のロータリーに入るだけという単純なルートでしたが、この間をAptivの開発中の自動運転車で走ることができました。

まだ限定的なルートしか走ることができないため、幹線道路を中心としたルートの注文に限り自動運転タクシーが自動で割り当てられるようです。あらかじめ行先を入力してから車を呼ぶライドシェアだからこそできる仕組みですね。

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Photo: amito

車に乗り込むと運転手の男性と案内役の男性の2人が乗っています。案内役によれば、レベル4とはいえまだ開発中のシステムのため、不安なシーンでは運転手がハンドルやブレーキを操作するとのこと。運転手がハンドルやブレーキに触れるとすぐにマニュアル運転に切り替わります。

車内はいたって普通のインテリアで、「自動運転車っぽい」ものといえばコクピットに埋め込まれたカーナビと同じサイズのモニターだけ。ここには車が今見ている景色が表示されます。

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Photo: amito

なんだかすごく簡素なグラフィック。スーファミの『スターフォックス』みたいだなぁと懐かしむ気持ちと同時に、ちょっと不安になっちゃいます。

しかしここには車線の情報やまわりの行き交うほかの車など、運転に必要なたくさんの情報がリアルタイムに表示されています。たとえば隣の車線を走る車は四角い図形で表示されていて、通常は青、車線変更するとぶつかりそうな車は赤で表示されます。AIがセンサーで感じとり、考えていることが、リアルタイムに可視化されているんです。

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Photo: amito

トラックの後ろにつきました。モニターには前の車がCGで表示され、自車との間には黄色い線が。これは「ちゃんと車両間隔を空けてますよ〜」という表示だそうです。

よく見るとモニターには信号機も表示されていて、実物と同じ色を点灯させています。ラスベガス市とAptivが提携していて、信号の情報がリアルタイムに同期されるのだとか。もしこの同期が通信トラブルで途絶えてしまった場合は、車の前方に備えたカメラで直接信号の色を見るようになっているそうです。ほー、えらい。

車にはカメラが2個、9個のLiDAR(ライダー)、10個のレーダー、天井にGPS、そのほかコンピューターやセンサーを山ほど積んでいるとのことでした。

あまりにも自然で車線変更したことに気づかず

車はすでに行き先とルートを知っており、車線変更も自動でやってくれました。...自動でやってくれたのですが、あまりに自然すぎて自動運転で車線変更しているという事実にすぐに気づくことができなかったんです。

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Photo: amito

すいーっと車線変更した瞬間はギズモードの2人はまさかの無言。数秒経ってから案内役が寂しそうに「どうだい?」と聞いてきて初めて、あ!今の車線変更か!と気づく始末。あまりにも普通の車線変更。「普通すぎて気付かなかったわ笑」って英語でなんていうんですか?

もっと驚いたのが2回目の車線変更。車がガクンっと左右に揺れました。ヒヤッとして運転席を見ると、運転手も驚いてハンドルを握りました。

どうやら車が自動で車線変更をしようとして左にハンドルをきったのですが、後方からの速度の速い車に気づき、すぐにクイッと戻したようです。

ちょっとだけ怖かったのですが、よくよく考えるとこのシーンって自分が運転するときもよくあることですよね。むしろ左にきったハンドルをクイっと戻す挙動がすごく人間っぽくてリアルだったなと驚きました。いずれは人間よりも運転がうまくなって、こういうヒヤッとするシーンもなくなるのでしょうか。

最後に目的地のタワーのロータリーに左折で進入してフィニッシュ。ここはさすがに「おーすごいすごい」とちゃんとリアクションをとることができました。Aptivの車はまだまだ開発段階とのことで、来年のCESではもっと複雑な運転ができる自動運転車が見られそうです。


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Image: Mario Tama / ゲッティイメージズ

CESに行っていちばん驚いたのが、ライドシェアの待ち時間の長さ。大勢が同じ場所から車を呼ぶので、会場の駐車場はごったがえしていて、実際に車に乗るまでには20分以上待つことも。会期中は渋滞も普段より多いようで、クラクションが鳴り響くカオスな状態でした。

こんな状態に疲れ果ててしまっていたなかで自動運転を体験したので、俄然モビリティが完全自動化した未来が楽しみになってきましたよ。何年か先のCESでは、自動運転でのんびりグランドキャニオンにでも行けたらいいなぁ。

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Photo: Aptiv
ストラトスフィアタワーのロータリーで記念撮影