SpaceXのファルコン9が「ライドシェア」募集。ライドをシェアするのは人間じゃないよ

  • author 岡本玄介
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SpaceXのファルコン9が「ライドシェア」募集。ライドをシェアするのは人間じゃないよ
Image: SpaceX

え、宇宙のライドシェアが1億円!?

SpaceXが、Falcon9ロケットを「ライドシェア」して宇宙へ行くためのチケットをオンライン予約し始めました。このお値段はなんと1億円!!

乗るのは人間ではない

かつてはAmazon(アマゾン)のジェフ・ベゾスCEOが計画中のBlue Origin(ブルーオリジン)による弾道飛行チケットが、最安でも2,000万円越えという話がありましたし、リチャード・ブラーソンのVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、弾道飛行機の700席をそれぞれ25万ドル(約2800万円)で売り切ったこともありました。

それを考えると、SpaceXは随分お高いなー、もっと遠くまで乗せてってくれるのかなーと思いつつ公式サイトを覗いてみると…?

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Image: SpaceX

おっと?これは衛星を飛ばすロケットを作るお金がない人たち向けの、「小型衛星のライドシェア」でした。てへぺろ!

選べるコースいろいろ

サイトではいくつもの選択肢があり、軌道がSSO(太陽同期軌道)、LEO(低軌道)、POLAR(極軌道)といった3つのコースが選べるようになっています。そしてスケジュールは2020年6月以降で、ライドシェアさせたいペイロードの重さをキログラムで入力し、費用の見積もりが出せるようになっています。

基本料金は4カ月ごとに飛ぶSSOに200kgの衛星を飛ばすのに1億円。1kg増えるごとに5ドルの追加料金が加算されていく仕組みになっています。軌道は他にも、要相談でGTO(静止トランスファ軌道)とTLI(地球周回軌道から月へ向かう軌道)というオプションもあるとのことです。

Falcon9について

これは人間も運べますが、今は田舎や僻地でインターネットを広げることを目的とした、「スターリンク・プログラム」の一環で、合計1万2000機の衛星を少しずつ宇宙に飛ばしているロケットです。一方StarshipはZOZOTOWNの前澤さんを月旅行に連れて行ったり、人類を火星に運ぶ旅客船となります。

最近はJAXAのイプシロン4号も、インド宇宙研究機関(ISRO)も、小型衛星を大量に宇宙空間に放出するのがちょっとした流行りだったりします。技術の進歩で衛星が小型化できるようになったことで、一気にたくさん飛ばしたほうが効率が良いのです。

しかし扱うものが小型衛星とはいえ、ネットで予約できるとかもう宅急便と同じノリですよね。TechCrunchによりますと、一応アメリカ政府に危険がないかの確認を求められたり、5,000ドルの保証金を支払うなどの手続きがありますが、もしも人工流れ星を放出する衛星や、宇宙おトゥイントゥインの芸術作品などを飛ばしてみたかったら、予約してみてはいかがでしょうか?

Source: SpaceX, TechCrunch via Futurism