『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で故キャリー・フィッシャーをいかにして画面に登場させたか

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  • author 傭兵ペンギン
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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で故キャリー・フィッシャーをいかにして画面に登場させたか
Image: ILMVFX / YouTube

ただ過去の映像を切り抜いただけではなかった。

昨年末に公開され大ヒットを記録した『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。そのVFX(視覚効果)の制作過程を紹介するメイキング動画を、VFXのスタジオでありルーカス・フィルムの子会社であるインダストリアル・ライト&マジック(ILM)が公開しました。

ちなみに本編映像がガッツリ映る動画なので、まだ見ていない人はお気をつけください。というか、今すぐ劇場へ!

Video: ILMVFX / YouTube

なんと言っても一番興味深いのは、撮影に入る以前にすでに亡くなっていたキャリー・フィッシャーをどうやって劇中に登場させたのかという部分。先に予告されていたとおり、『フォースの覚醒』の制作の段階で撮影された未使用の映像を元にした様子。

しかし、ただそのままキャリー・フィッシャーを切り抜いて貼り付けたのではなく、髪の毛とコスチュームをCGで作って用意したものなのだとか。

ルークとレイア、1万6000隻はどのように登場したのか

さらに若き日のルークとレイアのトレーニングのシーンでは、ルークは『帝国の逆襲』、レイアは『ジェダイの帰還』の映像を役者の上に合成する形で制作。『ローグ・ワン』の時は映像を元に3DCGで作っていましたが、やり方を変えてきたようですね。

バブ・フリックやマズ・カナタなどのキャラクターはフルCGに見えたかもしれませんが、アニマトロニック・パペットで撮影され、操作している人を後から消している形式。ちなみにマズ・カナタのアニマトロニクスは史上最高に進化したものだとも語られています。

一方でそもそもシーンがまるごとCGだったりするものもたくさんあり、そちらも実写と見間違えるほどの凄まじいクオリティ。

終盤の1万6000隻が集結するシーンでは、レンダリングにCPU時間で840万時間かかったとのこと。見れなかったアングルから船が見れているだけでファンとしては熱い映像だったりします。

このシーンに登場したモデルを個別に見られる本か、サービスが欲しい。今まで実写映画に登場しなかったスピンオフの機体もたくさんいるので、大写しにならないのがもったいない! もっと見せてよ!

実写とCGの組み合わせも本当にILMの妙技が炸裂といった具合で、ラストのタトゥイーンのシーンではミニチュアのサンドクローラーとジャワ(衣装を着た子役)を遠近法を使って撮影し、そこにCGのミレニアム・ファルコンを飛ばしていますね。

たった約4分の映像だけで情報盛りだくさん。ILMは本当にすごいということを改めて思い知らされます。より具体的なVFXの解説が見たいところですが、果たしてどれくらいソフト版に収録されるのか……そのあたりは今後に期待しておきましょう!

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は現在公開中です。


Source: YouTube