新型肺炎の病名「COVID-19」 WHO発表
【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日記者会見し、新型コロナウイルスの感染による肺炎の名称を「COVID-19」に決めたと発表した。風評被害を避けるため、地名など固有名詞を含めなかった。中国を中心に感染者数の増加が続くなか、ワクチンについて18カ月以内に準備ができるとの見通しも示した。
新名称は英単語の「コロナウイルス」と「病気」の短縮形に、感染が発生した年の「2019年」を組み合わせた。テドロス氏は命名による印象の悪化を避けるため「地理的な場所や動物、個人やグループなどに言及しない名前を見つける必要があった」と説明した。
新型コロナウイルスは中国湖北省武漢市で発生した。インターネット上や一部メディアでは「武漢ウイルス」などと呼んでいるケースもあり、風評被害などへの懸念が強まっている。09年に流行した新型インフルエンザは当初「豚インフルエンザ」という名前が広く使われたことで、養豚産業が大きな打撃を受けた。
スイス・ジュネーブのWHO本部では11日からワクチンや治療法の開発に向けた研究会合が始まった。テドロス氏は会見で「最初のワクチンは18カ月以内に準備が整う可能性がある」と指摘。各国の製薬会社がワクチンや治療薬の開発に乗り出しているが、国際的な連携であらゆる対策を探ることが重要だとした。
同氏は国連全体の危機管理チームが11日に発足したことも明らかにした。経済への悪影響などを最小限に食い止めるため、国連機関が連携して対策に乗り出す。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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