温度をコントロールできるベッドマットレス「Eight Sleep Pod」レビュー:いつも寝てるベッドに戻れない

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 中川真知子
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温度をコントロールできるベッドマットレス「Eight Sleep Pod」レビュー:いつも寝てるベッドに戻れない
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

体感してみたい。

快眠は温度に左右されると思います。暑くても寒くても心地よく眠れません。だから、ひんやり感じる冷感布とか、ヒート系ブランケットとか、快眠グッズは多岐に渡ります。

もうちょっとハイテクを望むなら、最近は温度コントロールマットレスといったアイテムもありますね。お値段が高すぎるので手が出ませんが、右と左で温度を調節できるのもあります。一体どれくらい快適なのか、どれくらい革命的なのか、気になります。なにせ、人は人生の1/3を寝て暮らすわけですから。

そんなことを考えていたら、米GizmodoのSam Rutherford記者がEight Sleep社の「Pod」スマートベッドをレビューする機会に恵まれたとのこと。一体どんな寝心地なんでしょうか?

Eight Sleep Pod

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これはなに?:アクティブ冷感・温感テック搭載スマートマットレス

価格:フルサイズベッドが2,300ドル(約25万円)、キングサイズベッドが2,800ドル(約30万円)

好きなところ:単純明快なアプリ、簡単なセットアップ、音声アシスト昨日。自動睡眠トラッキング、デュアルコントロール/トラッキングゾーン、快適

好きじゃないところ:Eight Sleepの「Active Grid」が快適さを多少減少させる。ベッドに入って読書する人にとっては、睡眠スコアが正確じゃない

Eight Sleep社のPodは、フルサイズベッド(日本のダブルベッドくらいの大きさに相当)で2,300ドル(約25万円)。同社のSmart Bedより1,000ドルは高いですし、競合他社の従来のマットレスと比較すると2倍以上のお値段です。Smart BedもPodもスリープトラッキングセンサーとスマートホーム機能搭載です。しかしPodにはEight Sleepの水で満たされたActive Grid」という秘密兵器が入っているんです。

睡眠を劇的に変えてくれる「Active Grid」

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

Active Gridレイヤーには、水を満たしたチューブが入っています。そして、ベッドの近くに設置された小型熱電ポンプに接続してベッドの温度を適切にする仕組みになっています。

「Active Grid」ありの寝心地とは

水が入ったチューブ入りのマットレスの寝心地ですが、Podのマットレスに取り付けたあとに手で触ってみれば、たしかにパイプ配列があるのを感じます。慣れるのには時間がかかるかもしれません。とはいえ、Eight Sleepは心地よい5層のフォームマットレスを使っているので、システム全体としてみれば快適です。自分がかつて使っていたLeesaのマットレスより少ししっかりしていて、Lasperのフォームベッドと同じ、もしくはやや硬めという印象を持ちました。

Podの機能

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

Podには多くのセンサーが内蔵されており、Eight Sleepのモバイルアプリを使えば、睡眠時間心拍数睡眠ステージ寝返りの回数体温などを記録することが可能です。そして、それらをひとまとめにして「睡眠スコア」を作ることができます。

ベッドを共にする人がいれば、その人をアプリに招待して同様に睡眠習慣をトラッキングしたり、ベッドのゾーンを別々にコントロールできるようになります。

また、スマートホーム機能も備えているので、アレクサやGoogleアシスタントを使ってベッドを温めておくことも可能。

スマートベッドがもたらす快眠の魔法

ハイレベルな睡眠トラックとマットレスの温度調節機能がマッチしたとき、「極上の快眠」というミラクルが起こります。

まず、Eight Sleepがクイック設定で一般的なユーザーの睡眠を質問してきます。ベッドのどちら側で寝るのか、どんな毛布やシーツを使っているのか、夜は寒すぎるか/暑すぎるか、といった具合です。それらの答えからPodが睡眠温度を判断します(この温度は後で自分で調節できます)。温度は、就寝時間、睡眠前半、睡眠後半といった感じで何段階かで設定可能。Podの温度が完璧に設定されていれば、リラックス効果はバツグンです。

約1ヶ月前に「Smart Temp」という、ベッドのセンサーを使ってユーザーの睡眠測定値に基づいて自動的に温度を調節する機能をロールアウトしたので、より早く入眠し、より長く寝続けることができるようになしました。

とはいえ、Smart Tempは完璧ではありません。というのもある夜、妻側のベッドの温度を自動調節してくれたのですが、それは妻にとって低かったらしく、寒くて目が覚めてしまったらしいのです。幸いにも、今のところこのようなことは1回しか起こっていません。

もうひとつ付け加えると、私は寝る前にベッドの中で読書をするので、完璧な「睡眠スコア」を記録することができません。しかし、だからといってPodの機能が損なわれているとは感じません。

睡眠を向上させるPod

Eight SleepのPodを1ヶ月使ってみた感想は、「新世代のベッド」ということ。一部の人は、睡眠の数値化をやりすぎと捉えるかもしれませんが、私にとって睡眠のフィードバックは、自分のコンディションを把握する術のひとつなので便利に感じています。

それに、ここまでのレベルの温度管理は一般的なベッドでは得られません。今となっては普通のマットレスに戻れません。正直なところ、Podを使っていると自宅を離れてホテルのベッドで眠るといったことができなくなるかもしれないとすら思っています。

Podは高いのか?

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

確かに一般的なマットレスより高価ですが、ほんとうにスマートです。それに、Sleep NumberやTempur - Pedicが出している4,000ドル級のスマートベッドと比較したら、Podがお買い得に感じられるはず。

まとめ

・Eight SleepのPodを経験すると、普通のベッドに戻れなくなる。

・通常のボックススプリングやスラット付きベッドフレームに対応するが、Eight SleepのFoundationフレームも使える。

・Eight Sleepのアプリは、設定も使用もカンタン。全ての睡眠指標を表示して、ベッドの温度調節も可能。

・Podのマットレスは、水を加熱/冷却するポンプに接続されている(水は3ヶ月に1回交換する必要がある)。

・ウォーターポンプは音をたてますが、微かなノイズ程度。

・Podは音と温度の組み合わせを使ったスマートアラームシステム搭載。しかもスマホをホワイトノイズ・ジェネレーターにするタブ付き。

・Podのウォーターポンプは長い電源ケーブルとホースなので、使わないときは部屋の隅やクローゼットにしまっておける。


快眠を求める私としては、「普通のベッドに戻れない」発言がとても気になります。きっと、私が知らない快適さを感じているんでしょうね…。

ちなみに、私はベッドではなくThe Northfaceの100パーセントダウンの寝袋で寝ています。暖かさと、寝返りをうっても体が布団から飛び出してしまわないところ、肩まですっぽり包んでくれるので、肩が冷えてしまわないところ、全てにおいて気に入っています。

寝袋で寝るようになってから私も布団に戻れないと感じているので、もしかしたら一般的な布団やベッドって自分が思っているより快眠グッズじゃないのかも?