お財布には厳しい。
120Hz駆動のディスプレイや、カメラ、全機種で5G対応など、Samsung(サムスン)の「Galaxy S20」シリーズはかなりパワフルなスマートフォンに仕上がりました。しかし、ネックなのがその価格です。下位モデルのS20が1000ドル(約11万円)、S20+とS20 Ultraはさらに高いことを考えると、サムスンはかなり高めに設定しているようです。
大半のユーザーは値段で決める
最近のスマートフォン業界では、1,000ドルを超えるようなハイエンド端末ではなく、より手頃なミッドレンジ、あるいは「お手頃フラッグシップモデル」が売れ筋です。この傾向は、Counterpointのような調査会社のデータでも裏付けられています。
2019年第3四半期の売上データによれば、最も売れたのは2018年に登場した750ドル(約8万2000円)の「iPhone XR」で、それに続くのが180ドル(約2万円)と350ドル(約3万8000円)の「Galaxy A10」と「A50」でした。そしてランキングでは、275ドル(約3万円)前後の「Oppo A9」、700ドル(約7万7000円)の「iPhone 11」が後を追います。
1000ドルスタートのGalaxy
一方で、Galaxy S20ファミリーは1000ドルから始まり、「Galaxy S20+」が1200ドル(約13万円)、「Galaxy S20 Ultra」が1400ドル(約15万円)となっています。
昨年、Samsungは750ドル(約8万2000円)の廉価モデル「Galaxy S10e」を発表しました。しかし、今年のS20シリーズには廉価版はありません。そのかわり、SamsungはGalaxy S10を600ドル(約6万6000円)に値下げしています。とはいえ、僕らが本当にほしいのは、値下げされた去年のモデルじゃなくて、最新モデルのはずでは?
高い理由
残念ながら、Galaxy S20が高価な原因は全モデルで5Gに対応しているためです。Qualcomm(クアルコム)はSnapdragon 865を搭載する際に、ハイエンドかつ高価な部品のX55 5Gモデムの組み合わせを強要しているようなのです。これは、イギリスなどに投入されるGalaxy S20の4Gモデルも同じプロセッサとモデムを採用していることからもわかります。
ところが5G通信が提供されていない地域に住む人にとっては、そのモデムが役に立たないのも事実です。5Gネットワークとその対応スマホは素晴らしいのですが、多くの人はその恩恵に預かることができませんし、1,000〜1,400ドルもするスマートフォンを購入する理由にもなりません。
ともあれ、多くの消費者は350ドルから1,000ドルのGalaxyスマートフォンを検討することになります。Samusngはミッドレンジ向けスマホに興味がない気がしますし、昨年のフラッグシップ機の値下げでその穴をきちんと埋められているかどうかは疑問です。Gartnerなどの調査会社によると、「ハイエンドのスマートフォンに対する需要は、ミッドレンジやローエンドのスマートフォンに対する需要よりも減速している」と述べており、Galaxy S20シリーズの売り上げが横ばいになる可能性があります。
HuaweiはGoogleのサービスが使えないにもかかわらず、2019年には2億4000万台ものスマートフォンを販売し、Appleを抜いて世界第2位のメーカーとなりました。Samsungは依然としてトップメーカーですが、Galaxy S20の価格を見るにそれを守るのは簡単ではなさそうです。
Source: Gizmodo US