映画業界に実験的試み。縦長映画、きます

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  • author Caitlin McGarry - Gizmodo US
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  • そうこ
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映画業界に実験的試み。縦長映画、きます
Image: Gettyimages

時代は縦。

動画は横長なんてもう昔の話。InstagramやSnapchatの台頭で、気がつけば縦に長い動画にもすっかり慣れて違和感なくなっていました。横長動画も縦長動画も、どちらが見やすいどちらが慣れているなんてこともなく同等なのです。というわけで、来そうですよ、縦長の映画が。

ロシアの映画監督兼プロデューサーのティムール・ベクマンベトフ氏が、大作映画で初となる縦長映画に挑戦するといいます。タイトルは『V2. Escape From Hell』。内容は、ドイツの強制収容所の人々を解放するためにソビエトのパイロットが飛行機をハイジャックしたという実際の出来事をもとにした第二次世界大戦を描いたアクション映画。制作費は1000万ドルとのこと。

ベクマンベトフ氏は、さまざまな映像スタイルに挑むことで知られた人物で、プロデューサーを務めた『ハードコア(Hardcore Henry)』では、全編を主人公ヘンリーの視点=一人称視点で描かき、『アンフレンデッド(Unfriended)』では、MacBookのスクリーンシーンを使った手法が話題に。斬新な演出は必ずしも興行成績に結びつくとは限りませんが、映画制作における新たなチャレンジという大きな意味はあります。縦長映画を手がけるには、ベクマンベトフ氏はぴったりなのです。

気になるのは映画館は横長スクリーンだということ。スマートフォンのようにスクリーン自体を縦横自在に回転することはできません。となれば、映画館公開なしでNetflixのようなストリーミング配信直行か、もしくは映画祭などで特別スクリーンを準備して公開するのか…。そもそも縦長動画はSNSならば慣れた・許されるということなのか、2時間の大作映画にも耐えうるのか…。

ベクマンベトフ氏らしい実験的な試みです。本作の結果次第で未来の映画のあり方、映画館のあり方が変わる可能性もあるわけで。

Source: Deadline