イギリスではあと15年でガソリン車が販売できなくなる

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  • author Yessenia Funes - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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イギリスではあと15年でガソリン車が販売できなくなる
Image: Getty

見せてもらおうか、気候変動懐疑派が行なう気候変動対策の本気度とやらを。

イギリスは2035年までにガソリン・ディーゼル・ハイブリッド車を禁止へ

イギリスが自動車禁止に向けて本気を出してきました。今年11月にグラスゴーで開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で議長国を務めるイギリスのボリス・ジョンソン首相は、ガソリン車とディーゼル車の禁止を現行の2040年から2035年に前倒しにする表明しました。しかも、イギリス政府はそこにハイブリッド車まで加えてきましたよ。

ガソリン車の扱いを巡る議論は、気候変動を止めるための鍵を握っています。イギリスのような国ではさらに重要です。どうしてって? 運輸部門の温室効果ガス排出量が全体の33%と、部門別ではイギリス最大の排出源になっているからです。なので、イギリス政府が本気で気候変動の壊滅的な影響を避けるつもりなら、自動車をどうするかについて真剣に取り組むのは自然な成り行きなんです。

世界に広がる脱化石燃料の流れ

こういう姿勢を見せているのはイギリスだけではありません。スペインも同じことを2040年までにやろうとしています。コスタリカに至ってはすべての化石燃料使用を来年までに禁止しようとしているんですよ(日本なんて石炭火力発電所を何十基も新規建設しようとしているというのに)。ロサンゼルスは、車を今すぐ禁止ってところまではいっていませんが、公共交通機関のシステムを大転換させたり、2050年までに市内を走る車をすべて電気自動車にしたりという計画を立てています。

どんなにマイカーをこよなく愛する人でも、怖いわ暑いわの未来を避けるためにはガソリン車に乗ってる場合じゃないことくらいはわかります。でも、通りから車がなくなればそれでいいっていう話でもありません。政治の世界のリーダーたちは、公共交通機関を充実や自転車専用車線の普及を含め、車に取って代わる移動手段に投資する必要があります。いっそのこと移動しなくてもいい自宅からのリモートワークという手もあります。これらが実現すれば気候変動対策になるだけじゃなく、カオス状態の渋滞や大気汚染も緩和するはずです。

イギリスは、気候危機問題を深刻に捉えている国のひとつです。世界ではじめて「気候非常事態宣言」を出した国でもあります。2019年には国の至るところで再生可能エネルギーの導入が激増しました。保守的な政府が権力を握っている今でも、気候変動に真剣に取り組んでいます(いくつか例外はありますが)。ガソリン車の禁止は、イギリスが正しい方向へまた一歩進んだことを示しているといえます。

私は車を持ってない電車派(とバイク派)だから、車をまるっと禁止するの賛成!