30年の技術がたどり着いたこのカタチ!最新型「ルンバ s9+」を体験してきましたよ

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  • author 山田ちとら
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30年の技術がたどり着いたこのカタチ!最新型「ルンバ s9+」を体験してきましたよ

ルンバ...あなたに一体なにが起きたの?

ルンバと言えば丸型でしたが、今日発表されたばかりのシリーズ最新型「ルンバ s9+」は今までになかったDシェイプ。今日の発表会で実物を見てきたので、インプレッションをお届けします。

ゴージャス感マシマシ

Photo: ギズモード編集部

ルンバ s9+」を見てまず目を引いたのは、中心にあるメタリックな円盤。まるで高級オーディオみたいなプレミアム感にうっとり…。

掃除機は物置きからひっぱり出してきて使うモノではなく、生活の一部として常に部屋のインテリアに溶けこむべきとのデザイン思想が伺えます。

掃除中に持ち上げられてSOS状態のルンバくん
Photo: ギズモード編集部

円盤のまわりにはLEDライトがついていて、白・青・赤色に点滅します。赤だと「エラー」や「メンテナンスお願い」サイン。平常運転だと白で、がんばってお掃除している時は青く光ります。光り方にもいろいろなパターンがあり、その時のルンバの状態を表しているそう。

慣れてわかってくれば、色と光り方で「あ、今がんばってくれてるんだな」ってロボットと人間とで通じ合えそうですよね。今まで以上に愛着を感じられるかも。

ロボット掃除機泣かせの「すみっこ」を克服

ルンバ s9+のローラー。iPhone SE2個ぶんくらいの幅。
Photo: ギズモード編集部
過去モデルとなるルンバ i7のローラー。iPhone SE1.5個ぶんくらい。
Photo: ギズモード編集部

前方を四角くした最大の利点は、ゴミを吸い込むクリーニングヘッドが30%もワイドになったこと。あわせてモーターもパワーアップし、吸引力が40倍にパワーアップしたそうです。

いままでの丸型ルンバ君はヘッドをタイヤの間にはめ込むしかなかったのですが、そこが大幅に改良されてより広範囲なお掃除が可能になりました。お掃除の効率が大幅にアップ!

Photo: ギズモード編集部

去年発売された旧型の「ルンバi7」と比べると、差は歴然。

Photo: ギズモード編集部

Dシェイプになったことで角がぴっちり壁や角にフィットして、ロボット掃除機の最大の弱点であるすみっこ掃除を克服しています。ご覧のとおり、コーナーブラシも5本アームになってよりパワフルに。

これまではルンバくんがお掃除してくれた後に人間が壁際やすみっこを掃除し直すケースも多かったのですが、「ルンバ s9+」ならその手間が省けそうで、期待が高まります。

Dシェイプは30年の技術の結晶

Photo: ギズモード編集部

そんなに角がいいのなら、なぜ最初から「D」のかたちにしなかったのか?

疑問に思ったので伺ってみたところ、これまでは技術が追いついていなかったと説明してくれました。

実際、ルンバを作っているアイロボットジャパンでは、2009年頃からすでに四角いかたちのお掃除ロボットに着目していたんだとか。しかし、理想のかたちを駆使できるだけのセンサーテクノロジーがなかったので、狭いスペースに突入したまま出てこれなくなる…という欠点を克服できませんでした。その点、丸型ボディは角がぶつからないので、狭いスペースに入ってもスムーズに回転、好きな方向へ移動できました。

今回の「ルンバ s9+」は、数百あるパーツを全とっかえして一から作り直したそうです。それだけの気合いを込めて作り直したのには、技術面での大きな進展があったから。

Image: アイロボットジャパン

「s9+」の前方には新しい高性能センサーがついていて、空間を三次元に把握できるそうです。進行方向にある壁の位置や奥行きを立体的に感知して、今までは入れなかったすき間や入り組んだ狭い場所にもアプローチが可能になりました。

それに加えて機械学習機能が備わっているので、単に空間を把握するだけじゃなく、その空間をマッピングして学習できるんだとか。この技術を使えば、ルンバくんは各部屋の間取りを覚えて、部屋の状況を学習できます。リビングは散らかってるなーとか記憶しておいて、次から掃除するときは前よりもっと効率よく動けるそうです。

いや、それってすごくないですか?しかも学習機能を含むソフトウェアはクラウド経由で3ヵ月毎に更新されるので、ルンバくんは時間が経ってからもどんどん賢くなっていくわけですね。そのためにクアッドコアプロセッサを搭載しているそうですし。

「お掃除ロボ」から「お手伝いロボ」へ

エッジが効いた新デザインだけじゃなく、それを使いこなせるだけの技術がたくさん詰まった新型ルンバ。

アイロボット・コーポレーションのコリン・アングルCEOが「s9+」のことを「ビースト(モンスター、とんでもないヤツ)」と表現していたのが印象的でした。

彼が夢見る世界は、映画や本のようにロボットが当たり前にいるような未来。帰宅したら家の床がすっかりきれいに掃除されていて、もはや人間は掃除なんてしなくていいぐらいに働いてくれるロボットたちは、人間の生活にゆとりをもたらしてくれると力説していました。

今回の新しいルンバも、同じくアイロボット社が開発している床拭きロボット「ブラーバ」も、AIスピーカーや「IFTTT(イフト)」と連携しています。ゆくゆくは掃除ロボだけじゃなく、家中のデバイスが人間が指示を出すことなく思いどおりに動いてくれるスマートホームを実現したいと語るアングルCEO。

50年前なら完全にフィクションだった世界が、もうすぐそこまできているんですね。

ルンバ s9+ ほしい?

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アイロボット

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