恋人や配偶者と別れるとき、お金について話し合うのは、これ以上ないほどのストレスになりますが、避けて通れないことでもあります。
結婚していなくても、家賃や光熱費や銀行口座をシェアしていることもあれば、同居していなくても、スマホのファミリープランやNetflixのアカウントをシェアしていることもあります。いずれにせよ、何もかも終わりです。そして、この先が大変です。
今となってはこれまでの長い年月はすっかり無駄になってしまったと感じます。でも、いつまでも胸の痛みに浸っている暇はありません。
お金のことを考えなければならないからです。
そこで、パートナーとの関係を解消した後に家計をリセットするコツを、2人の個人ファイナンスの専門家に聞いてみました。2人とも私生活でパートナーと別れた経験があります。
目次
1. 感情でなく事実にフォーカスする
何をどう処理するか正確に把握するまでは、荷造りを始めないようにしましょう。
「自分自身と自分の感情に向き合い、まずは最も戦略的な行動を取ってください」とLegalZoomで財務アドバイザリーのディレクターを務める公認投資コンサルタント(CFP)のWhitney Morrisonさんは言います。
パートナーと、共有しているアカウントと出費を網羅するリストを作りましょう。その際、特に2人の名義になっているアカウントに注意してください。家、車、クレジットカードなどパートナーと自分を契約で結びつけているものはすべてそのリストにいれてください。
最優先事項は共有財務口座を分けることです。
共同の貯金や小切手の共有口座があると、その口座に入金するたびに、2人ともそのお金の法的所有者になります。ですから、2人のどちらも法的措置を取らなくても全額使ってしまえます。
共同貯金口座や小切手の口座があるなら、自分の分のお金を引き出して(どちらがいくら入金したか確認する必要があるときは、明細書をチェックしてください)、その口座からの振込や自動送金を設定しているなら、すべて解除しましょう。
「できたら、少なくとも1つは自分専用の当座預金口座を持っているといいですね」と個人ファイナンスの教育に携わり、『A Cat’s Guide to Money』の著者でもあるLillian Karabaicさんは言います。
持っていない場合は、すぐに当座預金口座を開設して、そこにいくらかお金を移しましょう。
別れたパートナーが腹いせに、口座から全額引き出したとか共有口座をロックしたという話を私は山ほど聞いたことがあるからです。
2. 同居していたならどこに住むかを考える
緊急事態に備えて貯金しているなら、今が使うべきタイミングです。
賃貸住宅からすぐに引っ越せるにしても、当面の家賃を払ったり、共有していた調理器具や家具を新しく買い直すお金が必要になります」とKarabaicさんは言います。
2人の名義で賃貸契約をしているなら、別のアパートに移れるか大家に聞いてみるのも一案だとKarabaicさんは言います。
もっとも、それは法人契約の大家だったり、大規模なアパートである場合ならうまい筋書きです。
2人のうちの片方がもっと小さなアパートに移るとか、あるいは、現在の賃貸契約を2人が別々にアパートを借りる契約に変更できないか大家に聞いてみてもいいでしょう。
それができれば、金銭的にもロジスティクスの点でも引っ越しの大変さを軽減できますし、大家も入居済のアパートを1つ増やせるので一石二鳥です。
自分で部屋を借りるだけの貯金がないなら、家族や友人に頼りましょう。既にソファで寝るのは慣れっこになっているなら、現金を倹約するためにもう少し長く泊めて欲しいと頼んでみる価値はあります。
「お願いすれば、こんなに助けてもらえるんだと驚く人が多いです」とMorrisonさんは言います。
3. Netflixの共有パスワードは諦める
Amazon Prime、Netflix、スマホの家族プランなどアカウントやパスワードをシェアしているものは、「すべて契約を解除してください」とMorrisonさん。
どんなにささやかな金額でも月々の出費を通していまだに相手とつながっているなら、「別れはまだ完結していません」。
また、Karabaicさんは次のように助言しています。
アカウントなどは、それを欲しい人が引き継ぐようにすれば簡単かもしれません。
しかし、別れた後に発生する隠れた出費に注意してください。
ストリーミングのアカウントを設定したり、自分は絶対使わないと思って相手に譲ったインスタントポットを買い直すときに発生する出費のことです。
4. 信用スコアが下がらないようにモニターする
各アカウントをどちらが引き継ぐか決めて、それに応じて分割しても、まだ終わりではありません。「無料の信用モニタリングサービスを使って自分の信用スコアをモニターすることをおすすめします」とKarabaicさん。
別れた人がまともな人なら、こちらの名義でこっそり新規のクレジットカードを作るようなまねはしないかもしれませんが、こちらの名前がまだ付いている請求書をうっかり見逃されると、こちらの信用履歴に傷がつくことになりかねません。
「これは相手が誰であろうと他人の手に委ねるべきものではありません。関係が破たんして別れた相手の場合はなおさらです」とMorrisonさんは言います。
共同アカウントから削除したことを記録している文書は保存しておき、当初作成した共有アカウントのリストに載っていない課金がたまに発生していないか、目を光らせてください。
自動車保険が自分以外のドライバーの分までカバーしていたり、もう住んでいないアパートの賃貸保険料が課金されることがあるとKarabaicさんは言います。
5. 家計のリセットには時間がかかることを理解する
長年のパートナーと家計を切り離すプロセスは、一朝一夕にできるものではありません。
そして、別離後に盤石の財務基盤を取り戻すにはしばらく時間がかかっても当然です。ですから、別離の直後はいろいろ苦労しても、自分に厳しくなり過ぎないようにしましょう。
Morrisonさんは言います。
2人の収入で家計をやりくりして請求書の支払いや出費もシェアするのとはずいぶん違う生活に変化しますが、自分の経済力で暮らすことに慣れるべきときであり、現在の財務状況でできることとできないことの線引きをあらためてするときです。
新しい予算に安心感を覚え、新しい住まいに馴染むには時間がかかるかもしれません。
でも、別れた人からのテキストメッセージに返信したい気持ちを抑えて、成功に向かう道を設定する時間をそれなりに取れば、しっかりした財務基盤を築けるでしょう。
さらに、次の相手と出会ったとき活用できるいくつかの教訓も今回の別離の経験から得ているはずです。
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Image: Jim Cooke
Source: LegalZoom, A Cat’s Guide to Money
Lisa Rowan – Lifehacker US[原文]