まるでアイアンマン。風を読み3Dビジョンで表示するスマート単眼鏡

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  • author 岡本玄介
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まるでアイアンマン。風を読み3Dビジョンで表示するスマート単眼鏡
Image: Trijicon

これでスポーツ観戦したら、新しい楽しみ方ができそう。

射撃や狩猟のライフルに照準システム、そしてアメリカ海兵隊や政府機関に戦闘用スコープを提供しているTrijicon社。彼らが世界で初めて、LiDERを内蔵し風向きや風速といったデータを3Dビジョンで表示する単眼鏡を作りました。

その名は「Trijicon Ventus」。これは5,000ヤード(約4.57km)先まで見渡せ、どんな天候下でも500ヤード(約457m)先の風を読むことができてしまうすごいガジェットです。これで覗くと、ちょっとしたアイアンマン気分になれそう。

Video: Trijicon/YouTube

Trijiconの説明では、これは「距離検出ハンドヘルド・デバイス」という単眼鏡とは一線を画すものだそうで、6段階の距離で向かい風、追い風、横風、および垂直風を計測する、と紹介されています。

LiDERがドップラー効果を測定する

使われているのは、正確には「ドップラー・ライダー」という技術です。Wikipediaによると、これはLiDERの一種でドップラー効果による周波数の変移を観測するもの、とあります。「Trijicon Ventus」はその技術で、空気中の粒子状物質の動きがどう反射するのか、そのドップラー効果をLiDERが照射するレーザーの波長で測定することで、風の情報を取得できるのです。

MIL-STD-810G規格で過酷な環境でも動作

上位モデルは気温や気圧、傾斜角、使用者と目標物の位置も観測し、Buetoothでスマートフォンにデータ送信が行なえます。

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Image: Trijicon

加えて耐久性も、軍用レベルの基準「MIL-STD-810G規格」をパスするほど。極寒のアラスカでも灼熱のアフリカでも使用に耐え、ドロップ・テストも水没テストもクリア。これほど超ハイテクが単眼鏡が存在するだなんて、夢にも思いませんよね。

発売は2020年後半。戦争や狩猟に使うのはちょっと物騒ですが、これならゴルフやアーチェリー、陸上競技の投擲などのスポーツ、もしくは観戦でも、さまざまなシーンで活躍できそうですよね。そんな趣味がなくても、一家に一台レベルで欲しいアイテムです。

Source: YouTube, Trijicon via NEW ATLAS
Reference: Wikipedia (1, 2)