「ペイペイの毒」に潰されたキャッシュレス企業…その残酷すぎる末路

「オリガミ身売り騒動」が意味するもの

地方での生き残りを図ったが…

Origami(オリガミ)の本社は、東京・六本木の六本木ヒルズ森タワーにある。筆者は昨年暮れにそこに取材に行った。

以前は表参道のこじんまりとしたビルに入っていたが、森タワーではワンフロアを贅沢に使っていた。まさに時代の最先端を行くIT企業ならではの洗練されたオフィスといった感じで、オリガミの社員も生き生きと働いているように見えた。

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同社は2012年に設立され、日本で初めてQRコード決済サービスを始めたスタートアップ企業。ロゴマークは“折り紙”でつくった鶴だ。

社名といい、そのデザインといい、日本をイメージさせるユニークなもので、将来性のある企業として筆者は好感を持っていた。数あるQRコード決済サービスの企業の中でも、ダークホース的な存在として密かに注目もしていた。

もちろんオリガミは、PayPay(ペイペイ)や楽天ペイなどに比べると資本も少なく、おカネの面では互角に戦えないことははっきりしていた。そこで、地方に軸足を移して生き残りを図ろうとしていたのである。

 

例えば、JR東日本と提携し、青森で都市開発なども行っている。また、地方の信用金庫や地銀がQRコード決済サービスに進出するときは、たいていオリガミがバックにつくことが多いのが印象的だ。

そうした戦略について改めて話を聞くのが、冒頭の取材目的だった。実際、取材に応じた担当者は、新しいプランをいろいろと話してくれた。

だが今年1月23日、突如としてフリマアプリのメルカリがオリガミを買収すると発表したのだ。

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