感染、国会にも広がらないか 野党が確認要求、審議中断

清宮涼
[PR]

 新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船で対応に当たった官僚や政治家から、国会に感染が広がるのではないか――。野党側のこうした指摘を受け、21日の国会で審議が一時中断する場面があった。

 政府内では、ダイヤモンド・プリンセス号で業務にあたった厚労省や内閣官房の職員の感染が次々と確認されている。橋本岳・厚労副大臣ら政務三役も船内に立ち入っていた。

 21日午前の衆院財務金融委員会で、野党側は厚労省職員が感染した問題をとりあげた。立憲民主党末松義規氏が「政務三役と接触しなかった保証はあるのか」とただすと、厚労省側は「業務上の接触があった」と認めた。「常時マスクを装着したうえで業務を遂行した」と説明したが、末松氏は「マスクをしたらかからないという前提に立っているのか」と収まらない。

 末松氏は「どういう官職なのか。国会にも来ている可能性があるのか」と感染者の役職を明かすよう求めたが、厚労省側は個人情報にあたるとして拒否。審議が一時止まった。同省が役職公表の是非を再検討することで与野党は折り合い、審議は再開した。

 その後に開かれた野党の合同ヒアリングで厚労省側は、感染した同省や内閣官房の職員は国会議員への説明などにはあたっていないと述べた。

 また、立憲の安住淳国会対策委員長は21日昼、自民党森山裕国対委員長と会談し、加藤勝信厚労相や橋本副大臣ら同省幹部にウイルス検査を受けさせるよう要望した。

 安住氏は会談後、記者団にこう言った。「検査をしたともしないとも言わなかった。それはちょっとないんじゃないの? 検査を至急やった方がいい。国会で落ち着いて仕事できなくなっちゃいますから」

 森山氏は要請を持ち帰ったが、菅義偉官房長官は午後の記者会見で、検査について「陽性が判明した方の濃厚接触者について実施をしてきた」と説明。「現時点で橋本副大臣などは濃厚接触者に該当しない」と述べ、副大臣らへの検査には否定的な考えを示した。

    ◇

 第201回通常国会。国会や政党など政治の現場での様子を「政治ひとコマ」としてお届けします。清宮涼

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]