いつか、こんなスマホが当たり前に?
昨年公開されたVivo Apex 2019のコンセプトは、ポートレススマートフォンという未来を見せてくれました。そしてVivoは、さらに未来志向なスマートフォンのコンセプトを披露しています。
Apex 2020の前面には6.45インチディスプレイが搭載されており、そのガラスが側面まで120度も曲がることで、通常のスマートフォンにあるベゼルを完全に取り払っています。Vivoによれば、画面端と金属フレームの接触部分に変更を加えることで、究極の「手持ち感覚」を実現しているそうです。
ガラス製の側面には物理的なボタンはなく、また外部ポートや大きな開口部もありません。電話のロック解除や音量変更には、感圧式の仮想ボタンを利用します。端末の充電方法は60Wのワイヤレス充電が唯一の方法ですが、これは広く普及している15Wのワイヤレス充電から大きなジャンプアップです。
しかしApex 2020のもっとも印象的なイノベーションは、前面カメラ用のホールやノッチが見えないことでしょう。Apex 2020では、前面カメラがディスプレイの下に配置されているのです。
通常、カメラをディスプレイの下に配置すると、撮影に支障が出ます。画面のピクセルと回路がカメラのセンサーに届く光を減らし、写真が暗くぼやけたものになってしまいますからね。一方Apex 2020ではピクセルと回路のレイアウトを新たに設計し、さらに光学的な干渉を減らすアルゴリズムを組み合わせることで、前面カメラのセンサーに届く光を6倍にまで増やしています。これにより、切り欠きやホールのない、完全なフルスクリーンディスプレイを実現しているのです。
一方、オーディオに関しては、Apex 2020ではディスプレイを振動させてサウンドを再生する「Screen SoundCasting」技術が盛り込まれています。これはLG G8などでも採用されている技術です。
背面カメラでは、無段階な光学ズームカメラとジンバル機構メインカメラが搭載されています。現在のスマートフォンの光学ズーム機能は、焦点距離が固定された複数カメラの切り替えによるものですが、Apex 2020では4つのレンズによる特別な無段階光学ズームを実現。モジュールの厚さはわずか6.2mmですが、5倍〜7.5倍のズームが可能です。
さらにジンバル機構に関しては、従来式のOIS(光学手ブレ補正)と2軸のスタビライザーを組み合わせることで、前後/左右回転の振動を補正することができます(従来のOISではX/Y軸の手ブレしか補正できません)。
さらにApex 2020には、動画の背景から不要なものを取り除く撮影機能が追加されています。また、Galaxy Note10やLG V60などにも搭載されている「音声追跡オートフォーカス」を採用しており、人の声をよりクリアに収録できます。
一応、Apex 2020は発売されないコンセプトであることは覚えておきましょう。本体スペックとしては、Snapdragon 865や12GBのRAM、256GBのストレージ、Android 10などがあげられています。もちろん、価格や発売時期に関する情報はありません。
VivoがApex 2020でみせたアイデアや技術がどれだけ現実になるのかはわかりませんが、未来のスマートフォンの姿にはワクワクさせられてしまいますね。