地球にやさしい買い物のかたちって、どんなだろう? オンラインショッピング? 車でまとめ買い?

  • author Dharna Noor - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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地球にやさしい買い物のかたちって、どんなだろう? オンラインショッピング? 車でまとめ買い?
Image: Getty

地球にやさしく、自分に厳しく。

わたしは料理で乾燥した赤レンズ豆、ブラックペッパー、ケイパーをよく使います。寒空の下を歩いて買い物に行くのはやめて、オンラインでオーダーしようかなって考えています。でもそれって、わたしにとっては時間の有効活用になるからいいけど、地球にとってエネルギー効率がいい方法なんでしょうか? 新たな研究結果によると、その答えは、どこでオンラインショッピングをするかによるのだそうです。

「Environmental Science and Technology」 に掲載された論文で、研究者たちは、人々が日用消費財を買う際の方法別に、温室効果ガス排出量を比較しました。調査対象になったのは、食器用洗剤、シャンプー、スナック、ドライスパイスなど、スーパーマーケットで購入できて、冷蔵庫に入れなくてもいい商品。わたしが探している3つの材料は、たまたま足の速い消費財のようです。

実店舗まで足を運んで、欲しいものを買って帰ってくる「従来型(bricks-and-mortar)」の買い物は、オンラインショッピングと比べると、温室効果ガス効率が高いケースと、低いケースの両方があるみたいですよ。

どういうことかというと、電子商取引には大きく分けて2種類あるそうです。ひとつめは「bricks and clicks」と呼ばれる方法で、オンラインで注文した商品を誰かに買いに行ってもらったり、郵便で送ってもらったり、自宅まで届けてもらったりします。これは、PeapodやInstacartなどが使っているモデルです。ふたつめは、「pure player」と呼ばれる、AmazonやJet、Thrive Marketのようなオンライン専門企業から、宅配会社を経由して購入品を送ってもらう方法です。

温室効果ガスの比較

研究者たちは、このようなタイプの電子商取引と従来型のショッピングを比較して、輸送、倉庫保管、配送、包装によって排出される温室効果ガスを調査しました。イギリスのデータを用いて分析したところ、店に行くよりも「bricks and clicks」で買う方が、63%の確率で効率的だったそうです。どこでもそうというわけではありませんが、この結果の主な理由は、たいていの人たちが車で食料品を買いに行くからとのこと。

研究の筆頭執筆者であるSadegh Shahmohammadiは、メールでEartherにこう伝えています。

オランダや中国のように、消費者が徒歩や自転車で買い物に行く国だと、環境に最もやさしいのは従来型の方法です。

また、実店舗での買い物よりも「bricks and clicks」によるオンラインショッピングの方がより多くの品物を買ってしまう傾向がありますが、それはたぶん、自分で車に積み込むこともなくて、オンラインのショッピングカートが本物のカートみたいに満杯になることもないからなのだとか。これも効率的なオプションではありますね。労働慣行が悪いとしてInstacartが批判されていますが、他のことはどうであれ、気候に関してだけなら、Instacartがベストというケースが多いようです。

しかし、オンライン専門企業から購入した場合、家から店までの距離がかなり長いため、従来型の方が効率的な場合が81%もあったそうです。また、一般的にオンライン専門小売業者を利用したケースの方が、従来型よりも一度に購入する品物の数が減るため、何度も宅配便が届くことになり、エネルギー効率は悪くなります。おまけに、オンライン専門業者はやたらとたくさんのパッケージを使う傾向があります。Amazonでの買い物をやめなければならない理由が、またひとつ増えましたね。

考慮されるべき、さまざまな点について

買い物について考えるきっかけとして、この研究は良い出発点といえますが、それぞれのショッピング方法がもたらす影響について学ぶべきことはまだまだあります。この分析では、建物や労働者に関連する排出量や、労働者や買い物客が使用するデータや機器、または従来型やクリック型のショッピングのための梱包材の量は考慮されていません。温室効果ガス排出量を比べた場合、取引によるものに比べて、梱包材によるものは無視できるレベルだと考えられているようです。

それに加えて、返品によるエネルギーへの影響も考慮されていません。追加の輸送が必要になったり、製品が紛失したり、壊れたり、または期限切れになったりすると、生産量を増やす必要があります。これまでの調査では、オンラインで商品を購入した顧客は、より多くの商品を返品するため、売れ残った商品がより多く廃棄されることがわかっています。多くのオンライン専門小売業者は、人件費や保管料を節約するために、返品された商品をそのまま捨てているそうですよ…。なんてこったい。

研究者らは「しかしながら、オンラインと実店舗のどちらが、日用消費財の損失による影響を大きく受けるかは不明です」と述べています。また、この研究では、それぞれのショッピング形態が、どうやって消費者により多くの物を購入するように促すのか、それによって排出量が増えるのかどうかについての調査を行なっていません。

どんな方法で買い物をするにしても、この論文は、買い物客と小売業者にとって、よりエネルギー効率の高い方法を選びやすくしてくれました。オンラインで買い物をする人は、同じ売主から複数の製品を購入すれば、配送時の排出量を減らせます。オンライン専門小売業者は、準備ができるたびに商品をひとつずつ発送せずに、まとめて発送すれば排出量を削減できます。また、実店舗に足を運んで買い物をする場合も、徒歩や自転車で店に行けば、車を運転するよりも排出量を減らせます。

わたしは車を持っていませんが、アパートの角を曲がったところに小さな食料品店があります。というわけで、ここまでの話を踏まえて、レンズ豆、コショウ、ケイパーを買いに店まで歩いて行ってきます。


わたし(Miyajima)も車を持っていないので自転車で買い物に行っていますが、いちばん近いグローサリーストアまで6km以上あるので、必需品を最小限(バックパック+かごにおさまる量)にまとめて買うようにしています。体力的にキツいなって思うこともありますけど、車に乗っていた頃よりも、地球にもお財布にもやさしい気はしますね。