米Amazonプライムがヤンキース戦をライブ配信。しかし大人の事情で特定地域限定

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  • author そうこ
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米Amazonプライムがヤンキース戦をライブ配信。しかし大人の事情で特定地域限定
Image: Al Bello / ゲッティイメージズ

複雑なスポーツ放映権。

米Amazonが、 今シーズンのヤンキース戦21試合を米プライム会員向けに生中継すると発表しました。

プライム会員でスポーツ好きな人にはうれしいニュースです。

が、ライブ配信されるのは、大人の事情(放映権の関係)でローカル放送分の21試合だけ。全国放送試合は含まれません。さらに配信されるのも一部の地域のみ。ニューヨーク州、コネチカット州、ペンシルベニア州北東部、ニュージャージー州北部&中部の4州限定となります。

なぜヤンキースなのかというと、球団オーナーであるYankee Global EnterprisesのスポーツネットワークYESの株をAmazonが一部(15%)所有しているからです。

たかが21試合、たかが4州限定とはいえ、米Amazonが今後さらにスポーツ生中継に本腰をいれていくだろうことは容易に想像できます。ストリーミング業界は、オリジナルコンテンツでしのぎを削っていますが、オリジナルがファン獲得のすべてではありません。従来のテレビに取って代わるなら、決して忘れてはいけないのがスポーツという巨大老舗コンテンツ

NFLスーパーボウルのCM注目度、大学スポーツ人気などを見ただけでも、アメリカという国がいかにスポーツにアツい国か素人でもわかります。

(余談ですが、アメリカで1番アボカドが消費されるのはスーパーボウルの日なんだって。チップス&アボカドディップ食べながら試合中継見るからだって。)

ひと昔前なら、スポーツファンはケーブルでESPN入っときゃいいムードでした。スポーツファンなら、有料サービスに加入してでも見たい。むしろ加入しない選択肢はないと言っても過言ではないでしょう。となれば、何のスポーツが好きか、どこのチームが好きかで加入するサービスを選ぶことになります。

スポーツストリーミングでは世界的にDAZNが人気ですが、日本在住のNBAファンはきっと楽天のサービスに加入しているはず。そういうことです。複数サービスに加入する金銭的余裕がある人は別として、ストリーミングサービスを選ばざるを得ないとき、スポーツは決め手になる!

配信系コンテンツは、ツライ時を乗り越え、映画業界ではすでに地位を確立したと言えるでしょう。さぁ、次なる戦いの場は、映画業界よりもさらに複雑であろうスポーツ(放映権)の世界。これ、ユーザーにとってもより複雑になりそうですよね。同じ国内でも住んでいる地域によって、アクセスできるコンテンツが違うことになるわけで。〇〇州に住むなら、AよりもBに加入した方がお得だよってね。…面倒だな。

しかし、パンドラの箱はすでに開いてしまったのだ。

Source: The Verge, YES