Samsungのスマートフォンの最新モデル「Galaxy S20」「Galaxy S20+」「Galaxy S20 Ultra 5G」が、2月12日(日本時間)に発表されました。

これらのモデルに関する説明として、USB規格の推進団体「USBインプリメンターズ・フォーラム(USB-IF)」から「急速充電」認証を得た初のスマートフォン、というフレーズを目にした読者の方もいらっしゃることでしょう。

「急速充電」バッテリーを内蔵していると謳うスマートフォンは多いのですが、USB-IFから正式に認証を獲得したのは、この「Galaxy S20」シリーズが初めてとのことです。

最高100W/5Aの出力は必要ない?

これは、ほかのデバイスにどのような影響があるのでしょうか?

今では、大半の携帯電話が充電にUSB端子を使っています。

とはいえ、「急速充電」に必要とされる速度と容量で給電可能な充電器とケーブルは、一部に限られます。

具体的には、USB 3.1規格に準拠し、USB Type-Cコネクタを備えた製品で、なおかつUSB Power Delivery(USB-PD)規格をサポートしていなければなりません。

この条件を満たしていれば、最大で100W/5Aの出力でデバイスを充電できます。とはいえ今のところは、最新型のスマートフォンであっても、ここまでの給電能力は必要ないでしょう。

出力が高いことによるデメリット

スマートフォンがそこまでの出力を受け付けていないのは、おもに安全上の理由からです。スマートフォンの充電には、100Wをはるかに下回る容量で十分なのです。たいていの「急速充電」デバイスやケーブルの出力は、せいぜい20W程度です。

逆に出力が高すぎると、デバイスは熱を持ちます。携帯電話のバッテリーが過熱すると起こる危険なことについては、みなさんもご存じでしょう。

「Galaxy Note 10+」も認証の申請中

ですが、新規格のUSB-PD 3.0では、Programmable Power Supply(PPS)機能により、充電に使う電力を動的に調整できます。これにより、より効率的な充電が可能になるだけでなく、スマートフォンも安全に、より多くの電力供給を受けることができます。そしてそれによって、充電時間も大幅に短縮できるわけです。

Galaxy S20シリーズは、スマートフォンとして初めてPPSとUSB-PDの認証を受けました。これにより、S20とS20+では25Wまでの給電を受けることができます(さらに、S20 Ultra 5Gでは45Wまで対応可能です)。

実は、厳密に言うと、25W/45Wの給電モードを最初にサポートしたSamsungのデバイスは「Galaxy Note 10+」で、Samsungはこのモデルについても、USB-IFが定める「急速充電」認証を得られるよう、すでに申請を行っています。

そのほかのスマートフォンメーカーの動き

Samsung以外のメーカーのデバイスや充電規格にも、通常よりも高い電力供給が可能なものはあります。例えばクアルコムの「Quick Charge 4.0+」は、45Wまでの給電が可能です。レノボも、55Wを超えるハイパワーの給電機能を擁する超高性能のゲーミングスマートフォンを近日発表する予定です。

こうしたスマートフォンでは、記録的に短い時間でバッテリーが充電可能になるでしょう。それでも、現在「急速充電」を謳うスマートフォンの充電時間が遅いかと言えば、そうとは限りません。

「急速充電」スマートフォンの大半、例えば「Google Pixel 3」は、端末に付属する18WのUSB Type-C充電器とケーブルで30分間充電すれば、バッテリーの残容量は数時間使用可能なレベルまで復活します。

最新のiPhone 11は?

また、Digital Trendsの記事によると、現時点で最新のアップルの端末「iPhone 11」も、USB Type-Cの急速充電器を使えば、30分間の充電で残容量が0%から50%まで復活するとのことです(そのためのアクセサリーを新たに購入しなければなりませんが)。

まとめると、USB-IFの認証を受けた急速充電機能に大きな意義はありますが、仮にあなたの端末がこの認証を受けていなくても、比較的急速に充電できる可能性は大いにあります。ただし、高性能の充電器と、認証済みのUSB Type-Cケーブルを使うことが条件になります。

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Image: Shutterstock

Source: Sam mobile, Giz China, Digital Trends

Brendan Hesse - Lifehacker US[原文