「MOMENTUM True Wireless 2」ハンズオン:高音質のために妥協するものは、なし

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  • author ヤマダユウス型
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「MOMENTUM True Wireless 2」ハンズオン:高音質のために妥協するものは、なし
Photo: amito

質実なアップデート、でもこれこそがゴールドなエクスペリエンス。

ゼンハイザーの新しいワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 2」が国内向けに発表されました。2のつかない前モデルは、音質重視で完全ワイヤレスを選ぶならコレというレベルでの高評価でしたね。

後継機である今回のモデル、米Gizmodoの評価は「オーディオ信者のためのアップデート」というニュアンスでした。でも、僕は「これこそみんなのための音質重視モデルなのかも」と思ったのです。その理由を紐解くべく、ハンズオンをお届けします。

あ、先に言っておきます。アクティブノイズキャンセリング、あります。ありますよー!

2mmのサイズダウンは、使えるユーザーを増やす

「MOMENTUM True Wireless 2」は、前モデルに比べ2mm小さくなりつつも、バッテリーはイヤホン単体で4時間から7時間(ケース込みで28時間)に延長しています。そして、この2mmの違いが侮れない。

前モデルが大きくて耳がつらかったという人は、今回のモデルならフィットする可能性が十分にあるのです。まだまだワイヤレスイヤホンとしてはビッグボディですが、より多くの人の耳に入り込めるサイズにダイエットができたのは間違いない。

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Photo: amito

左が前モデル、右が今回のモデル。写真だと注視しなきゃわからないレベルかもしれませんが、実物を見ると「ちょっと小さくなった?」とわかるくらいには違いがあります。ケースの寸法は同じ。

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Photo: amito
上: MOMENTUM True Wireless 2、下: MOMENTUM True Wireless 初代

マイクの位置や接続まわりもマイナー改良されています。特にこだわったというのがLDS(Laser Direct Structuring)アンテナの採用で、これにより接続の安定性がグっと向上。電波密集地での接続性だけでなく、スマホの世代に依存せず安定した接続が実現できたとのこと。最新のスマホじゃなくても接続が安定する、ということですね。

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Photo: amito
左: MOMENTUM True Wireless 初代、下: MOMENTUM True Wireless 2

イヤホンを耳から外すと音楽が止まるスマートポーズ機能も搭載。前モデルはNFMI接続の有無で機能していたところを、今回のモデルでは光センサー方式に(右側の黒丸がセンサー)。チップセットも変更されています。

あくまでも、音質のためのノイズキャンセリング

そして、やはり気になるのはアクティブノイズキャンセリングの採用でしょう。いかに音質が良くとも「なんだ、ノイキャンないのか」で前モデルをスルーしていた人も少なくないはず。今回のモデルはそんな人達も取り込みつつ、今までの音質第一主義な人たちも納得させるスタンスをとっています。すなわち、あくまでも音質のためのノイキャンである、と。

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Photo: amito

ノイキャンの効きは、電車や車のゴーっというノイズを7割ほど消してくれるかなという感じ。現状ノイキャン王者のAirPods Proを10とするなら、7くらい。WF-1000XM3は9くらいかな。静寂を手に入れるためのイヤホンではなく、良質な音楽を楽しむための最低限の消音性ともいえます。この哲学は、ヘッドフォンの「MOMENTUM Wireless」にも通じますね。

そして、ノイキャンON時の逆位相の違和感は、数あるノイキャンのなかでもトップレベルに薄い。ノイキャンをオンにしていても、オフの時と同じ感覚で試聴できました(米Gizmodoが、ノイキャンのオンオフがわかりにくいと言っていたのも頷ける)。そもそものパッシブノイキャン=遮音性も優れているため、アクティブノイキャンはバツっと音を消すというより、街のノイズをイレースするための補助機能って感じです。

もちろん、外音取り込み機能もあります。これも非常にスムーズで、薄紙1枚をへだてて外の音を聞いているような感覚。AirPods Proの外音取り込みを10とするなら、これは9くらい。マイクで拾った音を流してますよというわざと感=聞こえやすさより、耳に栓をした状態で音を聞くとこうなるよというナチュラルさを優先したように感じました。

音質については非常にバランスが良く、上から下まで心地良い粒立ちを感じられます。7mmのドライバーなどは前モデルと同じですが、今回のモデルの方がやや中高域のボーカルがクリアに聞こえるようになったとのこと。聴き比べてみるとわかるレベルらしいですよ。

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GIF: ヤマダユウス型

ちなみに、前モデルと今回のモデルの装着感の違いはこんな感じ。外耳の肉の盛り上がり方や、イヤホンがより奥まで挿入されている様子を見てもらえれば、2mmのサイズ差がわかってもらえるかと。

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Image: ヤマダユウス型

あと、地味に嬉しいのがタッチコントロールのカスタム。これ、前モデルはできなかったんですよね。あまり使わない音声アシスタントをノイキャンボタンに置き換えたり、自分が使いやすいようにカスタマイズできるのは嬉しい。

評価の分かれがちなタッチ操作についても、タッチするたびに「ピ、ポ、パ」とフィードバック音が鳴るわかりやすい仕様です。反応はとてもきびきびしていて、ストレスはなかったです。髪の毛越しのタッチは無理でした。

より使いやすく、より万人に向けた傑作

「MOMENTUM True Wireless 2」の重要なトピックは、2mmのサイズダウンと長寿命化、そしてアクティブノイキャンの搭載です。デザインに大きな変更がないためマイナーアップデートのように思えますが、そも思えばそうだし、そうじゃないっちゃそうじゃないような、玄人な調整だなと感じました。前モデルの完成度が高すぎた説もあるよね。

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Photo: amito

前モデルが耳に合わなかった人、バッテリーが物足りなかった人、ノイキャンがないからスルーしてた人。そうした人たちは、今回の「MOMENTUM True Wireless 2」こそが求めていた一台になる可能性があります。完全ワイヤレスで音質を求めたからといって、多機能さや使いやすさを諦める必要はないのです

まぁ、頑張るところがあるとしたらもう予算だけでしょう。「MOMENTUM True Wireless 2」の価格は、税抜で3万6300円。発売日は2020年5月中旬頃。音質をあきらめたくない、でも他の機能性も欲しい。そのワガママ、諭吉にぶつけちゃってください。

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Photo: ヤマダユウス型

そういえば、2020年はゼンハイザー75周年だそうな。写真の小屋はゼンハイザー創業当時の工場で、現在も家屋として現存してるそうですよ。至高のサウンドはここから始まったんだねぇ、しみじみ。

Source:

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ゼンハイザー

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