コロナにかかっていなくても、すでにかかっていても、治っていても、みんな同じように行動することが必要。
この数週間、コロナに感染した人が回復・退院したというニュースが唯一コロナのニュースでホッとするものだったんですが、世界保健機関(WHO)は一度感染して回復した人がまた感染しないという確証はないと発表。感染して回復した人たちに「免疫パスポート」や「安全証明書」を出すことを推奨しないという姿勢を見せています。
「再感染はない」という研究結果はまだ出ていない
免疫パスポートや証明書を入手するには、SARS-CoV-2(新型コロナウィルス)抗体を持っているという確認が取れなければいけません。これは回復後に旅行をしたり、仕事に復帰したりできることを証明する書類となるわけですが、WHOは一度感染すると2回目はないという抗体の研究結果がまだ出ていないと発表しています。
免疫パスポートを持つことが、抗体がどれだけ効果があるかの証明になるには十分ではないですよね。WHOは「一度感染したら抗体ができて二度目の感染はないと思い込んでいる人も多いですし、こういった証明書はさらなる感染のリスクを増やす恐れがあります」と話しています。
「抗体カード」と称してコロナウィルスから回復した人へ証明書を発行すると最初に発表した国はチリなのですが、どうも延期をしている様子。この抗体証明書はドイツやイギリスで最初に生まれてきたアイディアだそうです。
証拠がない≠再感染する、でもない
WHOのこの姿勢に対して批判がないとは言えません。抗体の証拠がないと言って人々を余計に怖がらせる必要はないのではないかと話す医療関係者たちも。
メリーランド大学の感染症研究所のFaheem Younous医師は、「ウイルス感染から完全に回復した患者について、“通常は”免疫ができます。免疫は数ヶ月から数年持続しますが、それぞれ異なります。証拠がないということは、ないことの証拠にはならないのです。不必要に人々を怖がらせるのはやめましょう」とツイートしています。
今月初め、WHOは韓国でコロナに感染し回復した150人が再度感染したケースについて調査を開始しています。これは患者の体内でウィルスが再活動を始めたからではないかとされていますが、まだはっきりとした答えには至っていないそうです。