大阪府、自粛解除へ3つの基準 病床使用率や陽性率

大阪府は5日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業と外出自粛の要請を解除する際の府の独自基準を発表した。感染経路不明の患者数や陽性率、病床使用率で具体的な指標を設定。いずれも7日間連続で基準を下回れば、自粛要請などを段階的に解除する。
大阪府が「出口戦略」を明確にする背景には、停滞する経済活動を早期に再開したいとの考えがある。吉村洋文知事は5日の対策本部会議で「感染症を抑え込みながら、社会経済活動(の自粛要請)を徐々に解除して両立することが重要だ」と強調した。
府が出口戦略を提示したことで事業再開に向けた道筋を描きやすくなると評価する声が上がる一方、府専門家会議の座長を務める朝野和典大阪大教授が「サイエンスとしての正確性には自信がない」と述べるなど科学的根拠に疑問の声もある。
政府は緊急事態宣言の期限を31日まで延長しており、府も基本的に31日まで自粛要請を継続する。そのうえで▽新規感染者のうち経路不明者が10人未満▽検査件数に対する陽性率が7%未満▽重症者向け病床使用率が60%未満――といった基準を7日間連続で達成すれば要請を段階的に解除するとしている。

府は、政府が14日をめどに示す緊急事態宣言解除の判断基準を踏まえて基準を最終決定する。15日時点の数値で解除の可否を判断し、自粛要請を緩和する場合は16日から適用する方針だ。
府内の感染経路不明者は4月30日以降10人を下回り、陽性率も最近は2~3%台で推移している。5月4日時点で重症患者向け病床は188床を確保し、重症者の病床使用率は約33%と、現時点では府が示した基準をいずれも下回って医療体制を確保できている。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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