ドームでホークスを応援するくらいしかしてなかったから、あのロボ犬は売られちゃうの…?
ソフトバンクグループが、傘下のロボットメーカー、ボストン・ダイナミクスを、韓国の現代自動車に最大10億ドル(約1050億円)で売却するかもしれません。ブルームバーグの報道から明らかにされました。売却条件は最終決定されておらず、取引が成立しない可能性もあるとのことです。
ボストン・ダイナミクスはマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンオフ、米軍との軍用ロボットの共同開発で知られていましたが、2013年にグーグルに買収、そして2017年にソフトバンクグループが数百億円で買収(具体的な買収額は明らかにされていません)。
2017年にソフトバンクグループ傘下になってからは、ロボットの商用化を積極的に推進し始めていて、今年6月には、四足歩行型ロボット「Spot」を7万4500ドル(約800万円)で発売していました。
今年7月のコロナ禍の無観客試合の7回裏に発動された、この「Spot」と「Pepper」が、ホークスの球団歌に合わせて歌って踊る様子が非常にシュールであったため、物議を醸したことは記憶に新しいですね。
最先端の犬型ロボットのシュールなダンスを、無観客のドームで披露するためだけにソフトバンクはボストン・ダイナミクスを買収したわけではありません。チェルノブイリの立ち入り禁止区域で、「Spot」の運用テストを行ったり、アメリカの病院で新型コロナの遠隔医療に貢献したり、日本でも鹿島建設とトンネル現場での実証実験を行うなど、さまざまな取組みを行っていたんですけどね、収益化は難しかったのでしょうか。
先日のソフトバンクの決算会見でも孫さんは、今年4月から9月までの最終的な利益は保有株式の売却などで、1兆8000億円を超える黒字となったと発表しました。「一言で言えば、情報革命への投資会社になった」と孫さんが明言していたとおり、今回のボストン・ダイナミクスの売却も、テクノロジーや事業を保有するというよりも、投資会社色を強めていくという方針の現れかもしれません。
少なくても、もう人型ロボットと犬型ロボットのシュールな応援コラボダンスはもう見られないかもしれませんね。
source:Bloomberg