多くのユーザーにとって、Adobe Readerは、PDFファイルを読むだけにしてはやり過ぎなのかもしれません。
では、Adobe Readerをインストールする必要はあるのでしょうか? もしくは、Adobe Readerの代わりになる、もっと良いPDFリーダーはあるのでしょうか?
Adobe Acrobat Readerとは何か?
Adobe Acrobat Readerは、最も普及しているPDFリーダーのひとつです。
無料版とプロ版の2種類があります。
無料版は、閲覧、印刷、PDFファイルに注釈を付けることができ、プロ版は、編集ツール、スキャニング、デジタル署名、その他オプションがあります。

ほとんどの人にとって、Adobe Acrobat Proで使えるオプションは多機能過ぎます。
時々PDFファイルを読んだり、印刷したりするだけなら、普通のWebブラウザがやってくれます。
Adobe Acrobat Readerは安全か?
Adobe Acrobat Readerには、脆弱性の歴史もあります。2006年、2009年、2013年、2016年のセキュリティ問題は深刻で、重大な脆弱性を取り除くパッチがすぐに必要でした。
脆弱性のほとんどは、Adobe ReaderのJavaScriptの脆弱性が原因で、ホストコンピューターにアクセスできるように、アタッカーがプログラムを悪用できるものです。
では、Adobe Acrobat Readerは安全なのでしょうか?
Adobe Readerを常にアップデートしていれば、安全性が保てるでしょう。
Adobe Readerのアップデートは毎月第一火曜日です(多くのテック系企業が守っている“パッチの火曜日”です)。
パッチの説明を読むと、Adobe Readerだけが重要なアップデートをしているわけではないことがわかります。すべてのAdobe製品に時々重要なパッチが必要。
セキュリティを向上させるためにできることは、Adobe ReaderのJavaScriptの設定を変えることです。
- 環境設定を開く。
- 分類の中からJavaScriptを選ぶ。
- JavaScriptのセキュリティのところで、JavaScriptのオプションの設定を変更する。
JavaScriptを完全に無効にしたい場合は、「Acrobat JavaScriptを使用」のチェックを外しましょう。
ブラウザでPDFファイルを開く方法
Adobe Acrobat Readerでは、PDFファイルの閲覧と印刷ができますが、ブラウザでも余計なプログラムをダウンロードしてインストールする必要なく、まったく同じことができます。
Google Chrome

Google Chromeには、PDFビューワーが統合されています。
2010年からGoogle Chromeに入っています。オンライン上のPDFファイルを非常に素早く開き、ブラウザに直接読み込みます。
残念ながら、ChromeのPDFビューワーには多くの機能がありません。
というよりむしろ、PDFファイルを絶対に回転させなければならない場合を除いて、基本的には何もありません。
しかし、その分速いです。それに、Google Chromeは今や世界一普及しているブラウザなので、すでにインストールしている可能性が高いです。
Google Chromeは、ローカルのデフォルトのPDFビューワーとしても役割を果たします。
PDFファイルを右クリックして、「このアプリケーションで開く」の中から「Google Chrome」を選びましょう。

このやり方は、FirefoxやMicrosoft Edgeなど、他のPDFビューワーをデフォルトで使いたい場合も同じです。
新しいGoogleのPDFリーダーを有効にする
運が良ければ、この記事が公開された時には、GoogleはChromeのPDFリーダーをこっそり出しているかもしれません。
ChromeのPDFリーダのアップデートは、実験的なブラウザ機能の一覧があるChrome Flagsのページで有効にできます。
ここの機能は、積極的に開発されているものもあれば、出しては消えていくものもあります。
Chromeのアドレスバーに「chrome://flags」を入力し、「#pdf-viewer-update」で検索して有効にします。
新しいPDFリーダーを使う前に、ブラウザを再起動しなければなりません。

このアップデートでは、ChromeのPDFリーダーをMozilla Firefoxのものと同じ標準まで上げるのが目的で、ドキュメントの概要のサポートと、新しいビューのコントロールを追加しています。
Mozilla Firefox

Google Chromeと同じように、FirefoxにもPDFビューワーが統合されています。
Mozillaは、実にFirefox 19の時からPDFビューワーを搭載しているのです(現在はFirefox 83)。
Mozillaは革新的ではないと言う人もいますが、FirefoxのPDFビューワーには便利な機能もありますよ。
例えば、PDFにフォームのようなインタラクティブな部分があっても、内蔵のPDFビューワーで入力することができます。
FirefoxのPDF.jsブラウザビューワーは、最高の選択肢のひとつです。
Microsoft Edge

Windows 10のネイティブブラウザMicrosoft Edgeにも、PDFリーダーが搭載されています。
Microsoft EdgeのPDFリーダーでは、PDFファイルに描画メニューで書き込んだり、ハイライトメニューでテキストに色を付けたりすることも。
また、読み上げ機能もあります。Microsoft EdgeのPDFリーダーで、基本的なフォームは入力できますが、この記事を書いている時点ではJavaScriptのフォームは対応していません。
Microsoft Readerに何があったのか?
Microsoft Readerはもはや保守されていないので、Windows 10のインストールにも含まれていません。
それでも、Microsoft Storeからダウンロードして、使うことはできます。
MacOS、Linux、IOS、Android
他のOSでもAdobe Acrobat Readerは必要ありません。
環境にもよりますが、macOSにはプレビューがあり、LinuxにはOkularやEvinceが入っています。AndroidにはビルトインのPDFビューワーがあり、iOSも同じです。
Adobe Readerは、これらすべてのOSで使うことができますが、使う理由が本当にありません。それぞれのOSには、少なくとももっと良い無料のPDFビューワーの選択肢があります。
Adobe Readerの代わりとしてベストなもの
ここまで読んで、新しいPDFリーダーを使ってみたくなった人は、WindowsのベストなPDF・eBookリーダー(英語)をチェックしてみてください。
Adobe Readerの代わりとして使えるベストなもののリストの中には、Adobe Acrobatのプロ版と同様の機能があるものもたくさんあります。
もしくは、もっと軽量なものを求めている人は、とても軽いAdobe Reader代わりのものをチェックしてください。
代わりのリーダーとして主流のものよりも、システムリソースをほとんど使わず、コンパクトなパッケージにPDF機能が入っています。
お気に入りのPDFビューワーはどれですか?
これでもうAdobe Readerが必要ない理由がわかったと思います。
PDFビューワーがビルトインされているブラウザと無料のPDFリーダーで、ほぼカバーできます。
ほとんどのPDFファイルは、特定の形式で表示することを目的とした単なるドキュメントなので(つまるところ、PDFとはそういうものですが)、ここで上げたほとんどのPDFビューワーは、より良いものではないにしても、同じようなものです。
あわせて読みたい
Image: MakeUseOf
Source: Microsoft Store
Original Article: Why You Don't Need Adobe Reader (And What to Use Instead) by MakeUseOf