SF映画みたい。全身触覚フィードバックとモーキャプもするVRスーツ「TESLASUIT」

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  • author 岡本玄介
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SF映画みたい。全身触覚フィードバックとモーキャプもするVRスーツ「TESLASUIT」
Image: TESLASUIT

ゲームだけじゃなくスポーツや肉体労働の訓練にも。

触覚フィードバック、モーション・キャプチャー、それに生体信号までデータ化する、VRハプティック・スーツの「Teslasuit」。

あたかも宇宙飛行士のインナー、もしくはSF映画で近未来人が着るようなデザインですが…中にはWi-Fiの送受信機能、電気刺激を生み出す80個のチャンネル、10個の内部モーキャプ用センサー、それに8〜10時間の充電式長寿命バッテリーといったメカニズムが組み込まれています。

モーキャプで動きを記録し、新人が動きを学習

ジャケットとパンツで上下2ピースになったこの全身スーツ。生地は伸縮性と通気性、さらに耐久性にも優れており、電気刺激を使い身体で動きを学習する用途もあります。

たとえば専門家や指導者が先にモーション・キャプチャーで動きを記録しておき、後から別の人がスポーツで特定の動きを習得したい場合や、肉体労働の研修で作業を身体に憶えさせたい場合などに、その記録を再現すると、全身で先の動きをトレースするよう促されることになります。

Video: Teslasuit/YouTube

またこのスーツは、怪我をしてしまった人のリハビリにも効果が期待されます。動けなくなった部位を、このスーツが動かせるようお手伝いするのです。

Video: Teslasuit/YouTube

そうした際は、内蔵されたセンサー類からリアルタイムで生体信号を取得し、運動データを追跡してそれをタブレット端末などでトレイナーや医師などがモニタリングする、という使い方になります。体温や脈拍から感情の状態や、ストレスのレベルまで数値化されるそうで、彼らはそれを見て、使用者に合ったプログラムを考えることができます。

さらにはSDK(ソフトウェア開発キット)を使ったカスタマイズも可能なので、使い方の幅な無限に広がりそうです。

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Image: TESLASUIT

異業種間で協力

このスーツはたとえば、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン、ボーダフォン、マスターカード、油田探査の会社シュルンベルジェなどに提供され、さまざまなの使い方をされてきました。

ボーダフォンは、これを着込んだ人物が、遠く離れた人物の動きや映像をライヴで疑似体験できる、というもの。どこまでホントかわかりませんが、5G回線でVR配信ができることが、このスーツを使って宣伝されています。

Video: Dimitri Mikhalchuk/vimeo

登場予定の専用グローブがイカつ過ぎる件

このスーツには、やたらとエグゾスケルトン(外骨格)めいたVRグローブが登場する予定です。

これもスーツと同じく触覚フィードバック、モーキャプ、生体信号測定といった機能を備え、感情やストレス、心拍数も計測するとのこと。スーツがなくとも単体で使えるようデザインされており、ロボットや医療機器の遠隔操作も視野に開発が進んでいます。


VRハプティック・スーツと聞くと、VRゲームがまっさきに思い浮かびますが…それ以外の、もっと社会的で実用的な使途もあるのは興味深いですね。いつか、スポーツ選手やお医者さんがこれらのギアを着込んで、普通に作業をする日が来るかもしれません。でも夏は暑いんだろうなぁ。

Source: YouTube (1, 2) , vimeo, Instagram via TESLASUIT via TechAcute.com