「あぁ考えるだけで気が重すぎる…」

仕事でもプライベートでも、誰にでも一つは苦手なことがあるのではないでしょうか。

かくいう私は初対面(リアルでもオンラインでも)が苦手です。1週間くらい前から脳内で当日のイメトレが何度も繰り返され、前日はうまく眠れず、直前になると心臓バクバク喉はカラカラ…。

とはいえ仕事でもプライベートでも、対面でのコミュニケーションはなかなか避けられないもの。

そんな私が先日タイトルに惹かれて参加したのが、 「ホリエモンチャンネル」等でMCを務めている寺田有希さんと、700名以上の従業員全員がリモートワークで働く会社の取締役COO石倉秀明さんのトークイベント「『苦手』な仕事で成果を出す方法」

さまざまなメディアでお見かけするお二人の印象からはまったく想像がつきませんが、実はお二人とも「人見知り」で「対面コミュニケーションが苦手」だそう。

対談冒頭から、「極力対面は避けたい」「懇親会や打ち上げでは隅っこで様子をみていたい…」など驚きの発言が連発!

そんなお二人が、苦手にどう向き合って成果に結びつけているのでしょうか?

事前に2人でClubhouse公開打ち合わせをされたという台本をもとに、和やかなムードでイベントが始まりました。

自分が勝負できる方法を見つける

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「今の仕事のほとんどは苦手なことで構成されているかも」という石倉さんは、これまでも初対面で人と会うことが嫌すぎて、どうしたらそれを避けられるのか、人一倍にいつも頭をフル回転させてきたそうです。

「過去新規営業をしていた頃は、営業トークは3パターンと決め、ハマらなければ代わりに数をこなすことに専念。トークを磨いたり、ロープレをすることもない。

ただ新規開拓営業の仕事を分解してみると実は、顧客を探している時間と商談に費やす時間は9:1の割合。

商談でのコミュ力を高めるよりも数を増やす方が(自分にとって)ラク」(石倉さん)

と考え、あくまでも自分が勝負できるやり方で勝負する、ことを大切にしていたそう。

寺田さんは、「石倉さんは(いい意味で)諦めどころを見つけるのが上手な方」だとしながら、

「例えば自己紹介でインパクト残さなきゃ、と思うより、一緒に仕事をする際に全力を注ぐ。

長く時間を共にすることに注力した方がいいですよね。

だから私、自己紹介は割り切ってテンプレ化して、自己紹介は頑張らなきゃいけないというプレッシャーから逃げるようにしています」(寺田さん)

と、自らの工夫を披露していました。

私も寺田さん同様、大勢の前での自己紹介は本当に緊張します。ただそこに捉われずに、苦手な部分は割り切ってしまうのも一つなんだなと気づきました。

二人とも共通しているなと感じたのは、成果を出すための要素をきちんと因数分解した上で、自分が苦にならないところにリソースを割いていること。

これは他の仕事や、プライベートでも応用できそうです。

苦手、とレッテルを貼ってしまうと苦手意識が働き、思考も停止しがちになりますが、まずはしっかりと何が苦手なのかに向き合ってみることが大切なのだと感じました。

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場をうまく設定する

また石倉さんは、仕事である人と会ってみたい、話したいとなったときは「どうしたら向こうから声をかけていただけるか」、その方法を一生懸命考えるそう。

人の紹介が好きで得意な方の力を借りることもある、とのことで、ここでも石倉さんがいかに「自分がストレスを感じない状況を(場合によっては周りの力も借りながら)作り出すこと」に絞って注力していることがうかがえました。

実は、今回の寺田さんとのトークイベントも事前に練られた綿密な導線があったそう!

寺田さんをさまざまなメディアで知るうちに、「自分と似たような考え方を持っているかも、お会いしてみたい」と思ったそうで、

「noteでまだ誰も書評を書いていないタイミングで寺田さんの新著『対峙力』について感想を出せば本人に見てもらえるのでは?」(石倉さん)

と狙って実行。その頃“#対峙力”でエゴサをしまくっていたという寺田さんに発見され、この対談のお声がけをいただいたとのこと!

石倉さんは自分が思う自分の得意/不得意と、周りから見る自分の得意/不得意を4象限で考えているようで、

「自分では苦手だと思っているけど、相手に苦手だと思われない方法を考えたり、苦手に見えない工夫をしたりすれば、それは(世間から見れば)苦手ではなくなる」(石倉さん)

と語っていました。

苦手を苦手と思わせないようにする工夫や努力。苦手とうまく付き合い、成果を出すためにはこれもとても大切なポイントなのかもしれません。

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相手が嬉しいと感じる質問や対応をイメージする

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一方寺田さんは普段からMC、イベントの司会で多くの著名人を相手にするお仕事。

普段はとにかく事前にゲストの情報収集をすることに工夫をしているそうで、特にSNSでの発信を細かくチェックする理由として、

「よくある経歴、だけを知っても話は広がりにくい。物事の周りにある理由、を探しにいくんです。

例えば、最近本3冊目出しましたよね、じゃなくて、この3冊出されたスパン短かったですよね?って、聞かれた方が嬉しくないですか?」(寺田さん)

…たしかに。後者の質問のほうがグッと踏み込んだ質問ですし、シンプルに「自分に興味持とうとしてくれているな」と聞かれる側は嬉しくなりそうです。

また、本番前には挨拶や自己紹介の時間を満足に取れないことも多いそうですが、そんな時でもできるだけこちらから軽く声をかけておくことを大切にされているそう。

そこで話した内容がどう、というよりも、「声をかけてくれた」ということだけで相手はきっと嬉しいはず」と、ここでも相手が嬉しいと感じることをイメージして実行なさっていることがわかります。気遣い、気配りとも呼べる対応かもしれませんね。

寺田さんご自身が初対面の場が苦手だと強く意識しているからこそ、事前に情報収集をして相手をきちんと知ろうとする。

そして何よりも相手が喜ぶ対応をしっかりイメージして実行することなど、いくつも自分なりの工夫を実行されていることが伝わってきました。

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目上の方とのコミュニケーションで大切にしていることは?

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対談の最後は、目上の方とのコミュニケーションについて、お二人が大切にしていることを語ってくれました。

石倉さんは過去にリクルートやDeNAなどで営業責任者・採用責任者を務めるなど、上層部ともやりとりが多いポジションも経験。

正直上司との関係構築は苦手だったそうですが、そんな経験ももとに心得たことは、「聞かれたことにはシンプルに答える」ことと、「分からない質問に分かった気で答えない」こと。

「仕事なので、というのは最強の言い訳。究極分かり合えなくても仕事で必要なコミュニケーションが取れればOK。この人が好き嫌いという線引きはあまりしないが、人のことは無条件で信頼するようにしている」(石倉さん)

つい人間関係はさまざまな感情が渦巻いたり、しがらみを気にしたりしがちですが、仕事だとフラットに捉えることで、意外といろんなことはスムーズにいくのかもしれません。また、信頼を底に据えて置く、という考え方が個人的にとても印象的でした。

一方寺田さんは、「目上の方も(自分と同じ)人間なんだ、と思う」、そして「その方の実績や仕事を素直に聞いて、受け入れて、(本当にすごいと思うことに対して)すごいと伝える」ようにしているそう。

「目上、というだけで自分の中で勝手に神格化しがちだけど、相手も人間なので弱みや苦手なこともあるはず

そして上にいけばいくほど褒められる機会が少ないはずなので、すごいと素直に伝えるだけで心の距離が近づく気がする」(寺田さん)

と、ここでも寺田さんは相手に真摯に向き合い、相手が喜ぶことをイメージされていることが伝わりました。

いずれにせよ、お二人とも人に対しての信頼や尊敬の気持ちを大事にされている様子がうかがえました。

年齢や役職、立場問わず、まずは人として、相手と向き合い方を考えることが重要なのかもしれませんね。


すっかりお二人の話に聞き入ってしまい、あっという間の1.5時間!

自分の仕事やプライベートでも応用してみようと思えることが多く、とても学びの多い充実したトークイベントでした。また、苦手とうまく付き合えば、それが自分の強みにもなるかもしれない、と勇気をもらった気がします。

早速私は、自己紹介テンプレを作成。これからはそのテンプレで少しでも初対面への苦手意識が軽減されるといいな、と思っています。

苦手が苦手でなくなれば、その分ストレスやいろんな負荷も減るもの。今回のお二人の対談を参考に、皆さんも実行できそうなことからぜひチャレンジしてみてください。

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