IOC以外が五輪中止判断なら…日本に賠償請求の可能性
忠鉢信一
この夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについて、自民党の二階俊博幹事長が15日、新型コロナウイルスの感染状況次第で中止もあり得るとの見方を示した。国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会の3者が結んだ開催都市契約では、日本側には大会を開催する義務がある。中止した場合、法的な責任や損害はどうなるのか。
開催都市契約は当事者の合意があれば変更できる。その例が昨春の1年延期だ。
しかし、仮に中止の判断をめぐって合意できず、IOCが開催都市契約をもとに日本側に損害賠償を求めた場合、スイス法を準拠法として、スポーツ仲裁裁判所(CAS)で裁判が開かれる。
開催都市契約に詳しい弁護士の松本泰介・早大准教授は、「開催都市契約書には開催義務を免除する条項も、不可抗力条項もない。IOCが契約を破棄しない限り、日本側には開催義務がある」と指摘する。
不可抗力条項とは、当事者に責任がない理由で契約を実現できなくなった場合に、どちらの責任にもならないよう明記する取り決め。国際的な契約では含まれることが多いが、五輪の開催都市契約にはない。
そのうえで、「IOC以外が…
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