パンデミックで在宅勤務が強いられた時、多くの人が(少なくとも長期的には)上手くいくわけないだろうと考えていました。
生産性とコラボレーションが損なわれる、社風にそぐわないなどという理由からです。
さて、パンデミックから既に1年が経ちましたが、リモートワークはきちんと機能しているのでしょうか?
調査からわかったリモートワークの実態
それを調べるために、最近Emplifyでは、2020年3月以降リモートのみで仕事をしている1000人のリモートワーカーにアンケートを取りました。そして、その結果は複雑なものとなりました。
リモートワークは、社風や職場の人間関係に驚くほどプラスの影響があることが判明しました。回答者の大多数は、上司や同僚との関係が改善されたか、変わらないと報告。
さらに、50%はマネージャーへの信頼が高まったと述べており、リモートワークが社風に悪影響を及ぼしていると考えているのは5人に1人に過ぎませんでした。
しかし、リモートワークに潜む影の側面があったのです。
回答者の67%が過去30日間でマネージャーから建設的なフィードバックをまったく受け取らなかったと答えています。また、半数近く(47%)は在宅勤務中において専門スキル開発の機会が減ったと報告しています。
そうなると、リモートワークで被害を受けているのは生産性ではなく、あなたのキャリアかもしれません。
パンデミック以前は、マネージャーは部下の専門面での成長に対してより多くの責任を負っていたことでしょう。ゆえに、部下のほうでも上司が決めた開発パスを受け取って完了することをいまだに期待しています。
しかし、それはもはや過去の話です。建設的なフィードバックと専門スキル開発の機会は社員の成長にとって最も重要なので、リモートワーク中にそれについて何もしないことの打撃は大きいでしょう。
専門スキルの開発を自発的に行なうには、上司を「マネジメント」する方法を学ばなければなりません。
「上司マネジメント」とは?
マネージャーが部下を管理する方法については多くのアドバイスがありますが、部下がマネージャーを管理する方法についてはあまりありません。
上司をマネジメントすることには、自分のニーズを上司に明確かつ簡潔に伝え、それらのニーズを満たす際に積極的な役割を果たすことが含まれます。
自分の成長に関しては、このような自発的な支援がとても重要です。マネージャーとして、筆者自身も社員がより効果的になるにはどんな方法があるかをいつも知りたいと思っています。
そのためには、私の時間や会社のリソースが必要になるとしてもです。
自分の専門的成長を停滞させず、上司の同意と支持を受けるための3ステップを以下に挙げました。
1. 専門的な目標を決める
今期、キャリアにおいて達成すべき目標は何ですか? 昇進や特定の専門的な経験、新しいスキルの習得、あるテーマを深く理解したいなど、いろいろあると思います。
達成したいことが何であれ、目標を設定すれば上司にその内容を伝えるという目的が生まれます。
ただし、上司にアプローチする前に、専門スキル開発の目標を目標設定のSMARTモデルに照らし合わせましょう。
Charles Duhigg氏が、生産性マニュアルとも呼べるベストセラー本『あなたの生産性を上げる8つのアイディア』で示したように、SMARTを使うと漠然とした願望を具体的な計画に変換することができます。
SMART目標とは次のようになります。
【「SMART」使った目標設定】
- S:具体的(Specific)
- M:計測可能(Measurable)
- A:達成可能(Attainable)
- R:現実的(Realistic)
- T:期限が明確(Timebound)
たとえば昇進を目指すなら「9カ月後にマネージャーへの昇進を考慮してもらえるように、フィードバックの提供のスキル、後輩のコーチングスキル、戦略的計画のスキルを習得する」のような目標になります。
SMART目標を特定したら、上司にフィードバックを求めましょう。マネージャーには、あなたの目標達成のために必要な他のアドバイスを持っているかもしれません。
2. 目標達成までのロードマップをつくる
目標を決めたら、そこに辿り着くためのルートを計画しましょう。
昇進するために必要なスキルを特定できたら、学習目標の達成に役立つリソースを調べます。
マネージャー育成関連の本を読もうと思うかもしれません。部署の戦略的計画セッションに参加して、プロセスについて学ぼうと思うかもしれません。
利用できるリソースが特定できたら、期限を含むタイムラインを作成して、目標達成のためにマネージャーから得なければならないものを掘り下げます。
お金か、会社の時間か、またはその両方かもしれません。目標達成のロードマップとともに見積もりを準備して、上司と共有しましょう。
3. 定期的に進捗状況と優先順位を調整
上司と話す準備ができたら、ミーティングを1回依頼するだけではNG。
上司と1対1のミーティングを定期的に行うことはあなたの成長にとって最も重要で、優先順位、フィードバック、パフォーマンス、専門スキル開発について話し合う一貫した機会を提供してくれます。
Emplifyの調査によると、毎月に1回以下の頻度で上司とミーティングをしている人は39%です。
あなたがその39%の内の1人なら、週1回や月に2回に増やした上司との定期ミーティングで主導権を握る価値はあります。
スタンディングミーティングができる時間を見つけたら、議題を作成すると申し出ましょう。そのようなミーティングで自分の目標とその達成方法を上司に伝えることができます。
計画について上司と調整できたら、スタンドアップミーティングで進捗状況を報告したり、仕事の他の優先事項についても話し合うことができます。
自分の専門性に関する成長について上司と話す時には、勇気を持って明瞭に伝えましょう。
覚えておくべきことは、上司もあなたの成功を望んでいる可能性は高く、あなたがベストな仕事をする助けになるものを(理にかなった範囲で)提供してくれる可能性があるということ。
自分自身の成長を優先すれば、上司もきっとそうしてくれるはずです。
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Source: Amazon.co.jp
Originally published by Fast Company [原文]
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