プライベートジェットにも同乗…ゲイツ夫妻破局の影にうごめくエプスタインの亡霊

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プライベートジェットにも同乗…ゲイツ夫妻破局の影にうごめくエプスタインの亡霊
Photo: Ludovic Marin/AFP (Getty Images)

呪いはどこまで広がるのか…。

27年の結婚に終止符を打ったビル&メリンダ・ゲイツ夫妻。原因をめぐってはさまざまな情報が飛び交っていますが、Daily Beastがゲイツ家に近い筋から聞いたところによると、夫人は未成年女子人身売買犯ジェフリー・エプスタインと夫が懇意にしていることに耐え切れず、2019年から離婚弁護士に相談し、離婚に踏み切ったのだといいます。

一番年下のお嬢さまが18歳になるまで離婚を先伸ばしにしていたという報道もありますが、真偽のほどは定かではありません。

本当に寄付だけの関係だったのか?

エプスタインは2019年8月10日、未成年人身売買に関わった著名人リストを法廷で明らかにする前にNYの留置所で自殺を遂げました。死人に口なしですが、生前は「ゲイツ氏の財務顧問だ」と周囲に触れ回っていたこともあり(ゲイツ氏は否定)、2人の関係はこれまで幾度となく取り沙汰されてきました。

記憶に新しいのは2019年秋に騒がれたMITメディアラボ寄付授受騒動です。大学側の規定で寄付の受け取りを禁じられていたにもかかわらず、エプスタインからメディアラボが750万ドル(約8億1000万円) もの寄付を受け取っていたことが明るみになりました。そのとき公開された伊藤穣一所長(当時)が全スタッフに宛てたメールでは、うち200万ドル(約1億1600万円)が「エプスタインがまとめたビル・ゲイツからの寄付」とあります。

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The New Yorkerが入手し2019年9月6日に公開したメール
Image: Joi Ito via The New Yorker

ビル・ゲイツ事務所はこれを否定。ゲイツ氏本人も「ビジネスや交友関係はない」と9月10日付けWSJで全面否定。伊藤所長の引責辞任で騒ぎは終息したかに思えたのですが、それから1カ月後の10月12日になって今度はNYTから 「2人は2011年から何度も会っている」という新事実が明るみになり、「なんだ、やっぱり近しかったんじゃないか!!」と雲行きが一転したのです。

プライベートジェットにも同乗

記事には2011年の写真も載っています。撮影場所は、NYマンハッタンにある宮殿風タウンハウスのエプスタイン邸。ゲイツ氏はエプスタインの隣に立ち、左には当時のJPモルガン上級役員ジェームズE.スターリー氏とローレンスサマーズ元米財務長官、右端にはビル&メリンダ・ゲイツ財団科学顧問のBoris Nikoli氏が写っています(Nikoli氏は2019年8月にエプスタインの遺言で「自分の身に何かあったら遺産処分は彼に一任する」と後継執行人に指名されていましたが「何も聞いていない」と受託を拒否しました。一部ではゲイツ氏とエプスタインの連絡係と報じられていますが真相は不明です)。

エプスタインが最初に未成年人身売買シンジケートの運用で逮捕され、ありえない司法取引で不起訴になったのが2008年ですから、2011年というと危険人物と百も承知で会っていたことになります。

会合の頻度は「マンハッタンにある宮殿風のエプスタイン邸で最低3回」で「深夜におよんだのは最低1回」です。エプスタインのプライベートジェットにもニュージャージー州テターボロ空港からエプシュタイン邸のあるフロリダ州パームビーチまで「1度エプスタインと同乗」していた模様です。未成年女子が機内で侍る「ロリータ・エクスプレス」だったかどうかは不明。

会合のあとゲイツ氏は財団スタッフに送ったメールで「自分には向かないだろうけど、(エプスタインの)ライフスタイルは非常に違って、そそられるようなところがある」と書いたこともあります。夫人じゃなくても、それどういう意味よ…って心配になりますよね。ゲイツ氏のスポークスマンは「エプシュタイン邸の内装や社交術を評したものだ」と言っていますが。

ゲイツ夫人が離婚弁護士に会ったのは2019年10月で、記事公開と同じ月です。一生信じられなくなるようなことがこの記事のどこかに書かれていたのかもしれません。

3人で会ったこともあるが、夫人は強い拒否反応

2013年9月には寄付の話し合いで夫婦揃ってNYアッパーイーストサイドにあるエプスタイン邸を訪れたこともあるのですが、側近はメリンダ夫人が「あんな不潔な男とつるむなんて…」とものすごい剣幕で拒否反応を示していたと語っています。その日は市内のThe Pierreホテルでラスカー・ブルームバーグ公益事業賞授与式に夫婦揃って出席し、ブルームバーグNY市長(当時) と記念撮影した晴れ舞台の日だったのに。

TMZが公開したゲイツ夫妻の5月3日付けの離婚届けには「夫婦関係は修復不能なまでに壊れており、すでに別居中」とあります。また、同日夫妻連名で発表した離婚報告のツイートには「もう一緒にいても成長できない」とも。史上最大のパワーカップルを引き裂いたものが何だったのか。本当の原因は本人たちにしかわかりませんが、その原因の一端がこんな堕天使みたいな男だとしたらガードが低すぎて泣けます。


ゲイツ氏はコロナワクチンの開発にも多額の寄付を投じてきましたが、製薬会社の知的財産(IP)放棄には反対の立場です。自身のACTアクセラレーターを通して阻止しようとしていますが、そちらも旗色は芳しくありません。IPばかり気にして世界中でワクチンの製造と配送が滞っているじゃないかという批判が高まって、バイデン政権は一時放棄の方向でWTOと調整を進めることを先日明らかにしました。夫妻の資産は1300億ドル(14兆円超)。これほどの財力をもってしても思うように物事は進まないものですね…。

Sources: NYT, Daily Beast