面識はない!と言ってたのに…
未成年女子人身売買のエプスタインの邸宅に通ってプライベートジェットにも同乗していたとNYTに報じられ、破局を迎えたMicrosoft共同創業者ビル・ゲイツ&メリンダ夫妻。夫婦の砦が崩れると葬り去られたはずの醜聞が出てくる出てくる…止まりません!
日曜にはNew York Times、Wall Street Journal、Daily Beastが離婚理由に直結しそうな所業の数々を一斉に報じ、ゲイツ氏はすっかりダメージコントロール・モードです。
これまでに報じられた内容
内容は次のようなものですが、不倫のことは長年つきあいのある人たちも初耳らしく驚きをもって迎えられています。
- :ビル・ゲイツ氏は2000年に1年間、Microsoftエンジニアの女子社員と不倫関係にあった(NYT)。
- :元不倫相手から20年前の性的関係の告発がなされたことを受け、役員会は2019年後半、外部の法律事務所に調査を委託。ゲイツ氏は2020年3月、調査完了と会長解任要求に先駆けてMicrosoft会長職、ならびに盟友ウォーレン・バフェット氏が経営する バークシャー・ハサウェイ社の役員職を自ら退いた(複数の情報筋がWSJに明らかにした情報。ゲイツ氏側スポークスマンは「円満に別れたものであり辞職と調査は関係ない」と発表。Microsoft広報も声明で「調査は事実だが、辞職は前々から決まっていたものであり慈善活動に時間を割くことが目的」と発表)。
- :元不倫相手は告発文書をメリンダ・ゲイツ夫人に読ませるよう役員会に要求した(夫人が読んだかどうかは不明)。
- :ビル・ゲイツ氏はMicrosoftとビル&メリンダ・ゲイツ財団の両方で、女子社員に言い寄ることがしばしばあり、2006年にはプレゼンを見て気に入った女子社員をメールで夕食に誘い、その数年後には財団のNY出張に女子社員を同伴してカクテルパーティーで女性を夕食に誘ってスルーされるなどしていた。
- :2017年にはゲイツ氏の投資会社 カスケード・インベストメント社でゲイツ家の財産とゲイツ財団の金庫番を1994年から務めてきたマイケル・ラーソン氏が、カスケード社の出資先が一部保有する自転車店の女性経営者にセクハラで訴えられた。ジェンダー平等を掲げる財団の趣旨とかけ離れたものであり、夫人は外部調査を要求したが、ゲイツ氏は示談金で解決して黙秘させ、ラーソン氏をそのまま雇い続けた。
- :「ゲイツ氏の女癖はゲイツ財団内部では公然の秘密だった。夫人が容認していたとは思わない。夫人は恥と考え嫌がっていたと思う」と財団元職員は語っている(The Daily Beast)。
エプスタインに会った回数
人間、恋愛や部下の尻拭いは長く生きていればあることじゃないか…と擁護する声もあるけど、だれもが理解に苦しむのは未成年性犯罪者エプスタインと犯罪確定後に何度も会っていたってことですよね。
「最低3回邸宅訪問+ジェット搭乗」というのは、2019年秋時点でNYTが裏を取るにいたったもっとも手堅い数。記事を書いたピューリッツァー賞ジャーナリストのジェームズ・B・スチュワート氏自身もTVでは「シアトルで会った回数も含めると6回だが、実際は6回なんてもんじゃないだろう」と話していましたし、「2011年から2014年にかけて何十回も足しげく通い詰めていた」とDaily Beastも新たな目撃証言を報じています。
(上の動画の翻訳)
スチュワート: ゲイツは自分でも4000万ドル(約44億円)のジェットを持っているのにエプスタインのジェットに乗っていた。そういう事実が厳然とあるのに、ゲイツは『エプスタインなど知らない』と否定する。調査報道の人間としては赤信号灯りっ放し。
聞き手: (慈善活動の相談で会っていたと言うが)ゲイツには世界最高の財団がもうあるわけで、なんでわざわざジェフリーの利益になる慈善基金を別に設ける必要があるの?って思いますよね。
スチュワート: ゲイツ財団は恵まれない未成年女子の支援にも取り組んでいた。ジェフリー・エプスタインは東欧、南アの恵まれない未成年女子を食い物にしていたわけで、いわば財団の対局にある人間だ。エプスタインの罪状を知って恐れおののき関わり合わないほうがいいと考える財団職員もいたが、それでも事業が止められることはなかった。
共同基金について、ゲイツ氏は2019年末のNYT主催フォーラムで「あれは間違いだった」と身振り手振りを交えて言っています。今は反省しているのかもしれませんけど、なんだかこうして考えてみると気味悪いですよね…。
エプスタイン邸という魔界
ちなみにゲイツ氏が通ったNYのエプスタイン邸はこんな外観です。
内部からは後のFBIの強制捜査で、夥しい数の未成年女子わいせつ写真とヌードCD収蔵の金庫、海外逃亡用と思われる偽造パスポート+現金+ダイヤモンドが押収されました。
シャンデリアにリアルな人形が吊られている変態趣味の館で、パームビーチの家と同じように「屋敷中にヌードが飾られていて、仕切りのないバスタブ、エプスタインが入浴中いじる義乳もあった」(性的暴行を受けた女性の証言)といい、まともな神経の大人が寄りつく場所じゃないことがわかります。
会う目的は?
この屋敷で会うのを見た人によると「夫人とうまくいかないとエプスタインに愚痴って、そんな結婚は毒になるだけだ、離婚したらいいとアドバイスを受けていた」のだそう。ゲイツ氏サイドはこれを否定。「ノーベル賞をとるため、エプスタインのコネを頼っただけだ」と釈明しています。結婚相談でもノーベル賞の相談でもいいけど、なんでよりによってペド犯エプスタイン! ほかに相談相手いないの!?ってなりますよね…。
エプスタインはフロリダから3時間余りのヴァージン諸島にプライベート・アイランドを有し、プライベートジェットで未成年女子を移送して監禁し性的搾取をしていました。襲った未成年女子は100人とも1000人とも言われます。
黒手帳を持ち出した執事は被害側弁護団に売ろうとして刑務所送りになり出所後まもなく中皮腫で死にました。エプスタイン捜査の陣頭指揮を執ったパームビーチ一番の辣腕刑事も50歳の若さで2018年に病死。英アンドルー王子の相手をさせられた被害者の訴えが明るみになってすぐの2019年8月10日、エプスタイン自身も留置先のNY更生施設で遺体となって見つかり、真相は永久に闇に葬り去られたかたちです。恐ろしいことに関わっていないことを祈るばかりですね。