11日〜13日に予定されているペルセウス流星群。12日深夜が活動ピークになるそう。
写真を撮影しておけば、自分がそれを見た証になります。
とはいえ、スマートフォンを空に向ければ、簡単に撮れるというわけではありません。
以下では、流星群や流れ星や彗星といった天体の不思議をカメラに収めるときに、知っておくべきことをお教えしましょう。
1. 三脚は必須
一瞬で消える流れ星のようなものを撮影したいなら、自分の両手だけに頼るのは無理があります。流星は猛烈な速さで頭上を流れていってしまうので、確実にカメラに収めるには、三脚がいるのです。
「シャッター速度を落とした撮影では、(三脚が)必要です」と説明するのは、ニューヨーク市ブルックリン在住の写真家Aysia Marottaさんです。三脚を持って、撮影を妨げる人工光が届かない、人里離れた場所に行くのが良いそうです。
2. 広角レンズを使う
スマートフォンではなくカメラを使う人は、できる限り広範囲を撮影するための基本をMarottaさんが説明しているので、参考にしてください。
広角レンズを使いたい人もいるでしょう。8-16mmのレンズなら、可能な限り広い範囲の夜空を撮影できます。F値も重要です。F2.8のレンズを持っていけば、ISO感度を極端に上げる必要もありません。
カメラ用語に詳しくなくても、Marottaさんの撮った写真を参考にすると、基本を押さえれば素晴らしい写真が撮れることがわかります。
3. 「無限遠」を使う
もうひとつ、Marottaさんがアドバイスしているのは、「無限遠」を使うこと。焦点が合う範囲が最大限広がります。空は果てしなく広いので、できる限り多くのものをカメラに収めたいですよね。
ウェブサイト「Money Maker Photography」では、無限遠について説明しています。
無限遠は、被写界深度が非常に深い状態と似ています。レンズを無限遠に合わせれば、被写体とレンズの距離がどれだけ離れていても、フレームの中のすべてにピントが合います。
ただし、いくつかの注意点はありますが。
4. 撮影対象について知る
もうひとつ役に立つポイントは、流星群やそれに関連した現象が、どのようにして起こるかを理解することです。
自分で撮影した美しい夜空の写真を販売する、フロリダ在住のアマチュア写真家Chris Westphalさんは、「遮るものがない、つまり雲や霧、もやなどがない暗い空」の下で撮影するようアドバイスしています。
流星は通常、「流星群の名前の元となっている星座の近くにある『放射点』から流れ出しているため、その付近を撮影するとうまくいきます」とWestphalさんはコメントしています。
例えば、こと座流星群は、特に夏の北の空ではっきりと見える星座「こと座」にちなんで名付けられた流星群です。
この流星群の場合、こと座で最も明るい恒星である「ベガ」が、Westphalさんの言う「放射点」です、この恒星が、夜空を流れる流星群を撮影するのに必要な明るさを提供してくれます。
ウェブサイト「Space.com」によれば、ベガは「北半球中緯度の真夏の夜空では、真上に位置する」ため、たいていすぐ見つかります。
5. スマートフォンで撮影するには
美しい星空を撮影してみたいけれど、カメラをもっていないという人も、心配はいりません。iPhoneでもAndroidでも、スマートフォンをうまく使って撮影する方法はたくさんあります。
イギリスの携帯電話修理業者Repair Outletでマネージャーを務めるTom Peetさんも、Marottaさんと同じく、三脚と広角レンズは必要だと言います。それに加えて、スマートフォンのアプリを使えば、流星を美しく撮影できるのだそうです。
ただ、スマートフォンのカメラは非常に優れたものですが、夜空を撮影するとなると、一般的なデジタル一眼レフにはおそらくかないません。
Peetさんが米Lifehackerに語ったところによると、スマートフォンのカメラを少しパワーアップさせるためには、長時間露光のアプリを使うといいそうです。
長時間露光を使えば、一定時間に複数の流星を撮ることができます。流星のように、一瞬で消えてしまうものをとらえるには、必須の機能です。無料アプリなら、『Easy Long Exposure Camera』(iPhone用)や『Long Exposure Camera 2』(Android用)、有料の高性能アプリなら『Slow Shutter Cam』(iPhone用)や『Night Camera』(Android用)があります。
フラッシュとHDR機能をオフにすることも、忘れてはいけません。
フラッシュを使ったら暗やみで撮影する意味がなくなりますし、HDR機能の使用も、ほかにいろいろと問題を生みます。Peetさんはこう説明しています。
HDRは、「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略です。この機能は、複数の写真を連続して撮って合成するので、1回の撮影でレンズに入るよりも多くの光を取り入れられます。
空の撮影に向いていると言えそうですが、カメラの動きが遅くなりがちなので、一瞬で消えてしまう流星を撮り逃す恐れがあるのです。
カメラとスマートフォンのどちらを使うにしても、できるだけたくさんの写真を撮るようにしましょう。それと、ズームインはしないでくださいね。可能なかぎり広い空を撮影したいのですから。
Source: Money Maker Photography, Space.com, Repair Outlet, Instagram(1, 2)