リフレーミングとは、ある状況を異なる見方で捉えるのに役立つ方法です。自分の考え方や認知モデルを問い正して、短期的な思考から抜け出すことができます。

リフレーミングテクニックによって、新しいアイデアを思いついたり、問題について新鮮な視点を得ることが可能になります。

リフレーミングとは何か、そしてこのテクニックを利用してクリエイティブな生産性を最大化する方法を見ていきましょう。

リフレーミングテクニックとは

Michael Morganさんは、問題点や課題を明確な視点から捉えられるようになるシンプルな手法としてリフレーミングマトリックスのアイデアを概念化しました。

言い換えると、個人やチームがさまざまな人たちの立場に自分を置いて、そのような人たちが思いつくかもしれない解決策を想像してみるということです。異なる可能性を生み出すには、批判的思考とブレインストーミングが関与します。

問題や課題をリフレーミングするには、状況を説明する自由形式の問題ステートメントからはじめて、問題に対処するために考えられる事実や心理的視点をすべて特定します。この過程については、以下で詳しく説明していきます。

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ステップ1:マス目に問題を書き出す

リフレーミングは、新しい考え方を促し、クリエイティブな打開策を見つけられる可能性があります。

最初に、4つの正方形のマス目かマトリックスを描きます。マス目の中央に、答えや解決策が必要な問題(または質問)を書きます。

リフレーミングのマトリックスをつくることによって、漠然とした問題や、定義が曖昧な課題を、より幅広い範囲で認知できる、明確に定義された問題へと変換することができます。

質問は特定の製品やサービス、プロセスについてのものかもしれません。たとえば、問題を書いてみると、製品のコンバージョン率が低い理由や、プロジェクトが思うように機能していない理由などが見えてくるかもしれません。

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ステップ2:アプローチと主な視点を決める

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Image: MakeUseOf

次は、ユーザーのニーズ、プロジェクトの目標、製品全体の長所と短所などのよくある検討事項に基づいて、問題にどのように取り組むか、アプローチを決めるステップです。

リフレーミングテクニックにはいくつかのアプローチがあります。問題に応じて、4Pアプローチ、PPPCアプローチ、プロフェッショナルアプローチのいずれかが使えます。

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4Pアプローチ

このアプローチは製品中心になります。製品中心の4Pとは次の4つです。

1. 製品の視点(Product Perspective)

これは、製品やサービスの全体像を把握し、何が実行できるか、できないかについての前提を評価するのに役立ちます

デザイン、価格設定、パッケージング、配送、全体的なユーザーエクスペリエンス戦略の開発に関して、よりクリエイティブでユニークなアプローチにつながる一連の質問をすることで、製品やサービスを分析することができるようになります。

2. 計画の視点(Planning Perspective)

現在のプロセスやプロジェクトの計画、戦略をリフレーミングマトリックスに分解することで、改善が必要な領域が見つけやすくなります

3. 潜在的な視点(Potential Perspective)

これによって、プロジェクトの目標を達成するために活用できる具体的な機会を思い出すことができます

改善が必要な現在の状況、考えられる将来のシナリオとその影響、現状に対処するために取れる行動についての洞察を得ることによって、意思決定を助けるものです。

成長、スケーラビリティ、チーム構成、生産プロセス、戦略的リーチの拡大に関する意思決定に影響を与えるのに役立ちます。

4. 人々の視点(People's Perspective)

製品やサービスをつくる際、チームにとってリサーチはとても重要です。

ユーザー調査により、その製品のユーザーについて、製品がユーザーにどのように役立つのかについて、人々が製品やサービスに何を望んでいるのかについて知ることができます。

また、プロジェクトに関与するチームメンバーの行動や思考パターンを判断するのにも役立ちます

PPPCアプローチ

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Image: MakeUseOf

PPPCアプローチは、チームに対して特に有益です。認知・動機付け・能力と、プロセス・テクノロジー・文化的な力との密接に結びついた関係を理解する助けになります。ここで考慮する視点は次の4つです。

人(People):ソリューションの計画・実行を担当する、プロジェクトの関係者とチーム、その人たちの能力と専門知識に焦点を当てます。

プロセス(Processes):作業の実行方法、作業を実行するためのツール、業務プロセスを最適化してソリューションをより短い時間で完了する方法に焦点を当てます。

プラットフォーム(Platforms):メンバーやチームが日常業務を効率的に行なうためのサポートをするソフトウェアやそのほかのツールに焦点を当てます。

文化(Culture):文化的な視点というのは、プロジェクトの目的や目標を達成するために問題を解決する際にどのように協働できるかということです。

プロフェッショナル(または職業)アプローチ

プロフェッショナルアプローチとは、特定の分野の知識や専門知識を持っているさまざまな専門家や利害関係者の観点から問題や課題を分析するのに役立つものです。

専門分野に応じて、たとえば、CEO、法律や財務、人事の専門家として問題にアプローチします。

このアプローチは個人にもチームにも使え、さまざまな答えを出すことができ、それらを適切な解決へと調整することができます。

ステップ3:より深い洞察のためにブレインストーミングする

マトリックスを使って、問題に対する新しい洞察を生み出します。

まず、与えられたそれぞれの観点から、問題に関連するさまざまな要因のリストをブレインストーミングします。このプロセスは自分だけでもできますし、チームのほかの人たちと一緒に行なうこともできます。

チームとして行なう場合はチームをグループに分けます。それぞれのグループは、顧客、マーケティングマネージャー、技術専門家など異なる視点を担当することができます。

各グループに、それぞれの視点から問題について考え、問題に関連する要因をブレインストーミングするように依頼します。結果をまとめて、リフレーミングのマス目の該当する区分に書き込みます

ステップ4:わかったことに基づいてアプローチをリフレーミングする

リフレーミングを行なう過程で、利害関係者のよくある問題や悩み、利害関係者の提案がいくつか見えてきたことだと思います。それによって、採用する技術や解決策を決定することができるでしょう。

さまざまな視点を書き留めたら、次のステップとして、判明したことを評価し、アプローチをリフレーミングし、一連の行動を決定します。

生産性に与える3つのメリット

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Image: MakeUseOf

リフレーミングテクニックによって、個人やチームが、プロジェクトやビジネス、クリエイティブなアイデアの要素を見たり評価したり変更したりすることが可能になります。

これは、生産的でクリエイティブな思考過程に基づいて、ビジョンある戦略を開発するための青写真を提供してくれます。

1. 思考パターンに変化をもたらす可能性:リフレーミングマトリックスは、物事を異なる見方で捉えるのに役立つツールです。

問題や課題について考えたり、行動したり、知覚したりする時に、型にはまった習慣的な考え方から距離を置く機会を提供してくれます。

2. より大きな革新の可能性:リフレーミングテクニックを使うことによって、さまざまな専門的経験を持つ人たちを取り込んで、革新と問題解決に有意義な貢献をしてもらうことが可能になります。

3. 短期的・長期的な課題に対するソリューションの提供:範囲、メリット、要件、制約など、問題の主要な特性を把握できます。

個人やチームが、将来の課題や同じような問題のために検討する可能性のある意見や見解に関する情報を収集するのに役立ちます。

リフレーミングで定番を超えた考え方に

リフレーミングテクニックは、生産性とクリエイティブなアウトプットを向上するために使えるもっとも簡単で効果的な方法の1つです。そして、ほぼどんな状況でもうまく機能します。

リフレーミングテクニックには多くのメリットがあり、意思決定プロセス全体に大規模にも小規模にも使えます。

行き詰まった時には、リフレーミングテクニックでさまざまな視点を得て、クリエイティブな解決策を思いついてください。

Source: edraw

Original article: How to Use the Reframing Technique to Improve Your Creative Productivity by MakeUseOf