尾身氏「岸田さんは話聞く」 コロナ対策の大転換、専門家が主導
オミクロン株が流行する新型コロナウイルス対策をめぐり、社会経済を止めずに医療対策を見直す提案を、専門家が矢継ぎ早に打ち出している。岸田政権がこれを後追いする構図が繰り返され、両者はここまで足並みをそろえてきたようにもみえる。感染や医療の状況は厳しさを増し、強い行動制限の是非を判断する日が迫る。そのときも両者の足並みはそろうのか。首相がどんな一手を繰り出すかが問われる。
「政府の対応を待っていては手遅れになる」
政府分科会の尾身茂会長らを中心とした専門家たちは昨年末来、危機感に押し出される形で、政府への提案を重ねてきた。流行が先行した海外や沖縄県から入ってくるオミクロン株の情報をもとに分析を重ねた結果だった。
最初は「全員入院」の見直しだ。沖縄県で感染者が急増し、「軽症なのに全員入院のルールを続ければ、病床が埋まりかねない」という現場からの悲鳴を聞き、昨年12月28日、自宅療養も可能とするよう提言した。政府はその8日後、提言を採用する形でルールを修正した。
年が明けると、濃厚接触者の…
- 【解説】
専門家の意見を聞き「両にらみ」で判断するという政権の決定過程そのものは、評価できます。ただ問題は、それが可視化されていないことです。記事の中で、厚生労働省と専門家との「事前協議」について書かれているあたりをどう可視化していくかはメディアの課
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