重症化リスクが低いとされるオミクロン株でも、新型コロナウイルス感染症の後遺症は深刻だ。東京都渋谷区の「ヒラハタクリニック」(平畑光一院長)の調査では、オミクロン株の流行後に後遺症外来を訪れた患者の6割が休職を余儀なくされるなど、社会生活の維持に支障を来す人が後を絶たない。(佐藤航)
2月末、ヒラハタクリニックを受診した20代男性は座っているのもつらい様子だったという。平畑院長によると、男性は仕事に行けず、風呂に入るのも難しいと説明。診察室で横になり、「いつになったら働けますか」と尋ねたが、3月下旬になっても職場復帰できていない。
感染当初、男性の症状は軽かった。自宅療養を経て熱も下がったが、重い倦怠感や気持ちの落ち込みが続いている。平畑院長は「オミクロン株は症状が軽いと言われるが、後遺症については、そんなことは全くない」と指摘する。
厚生労働省は、新型コロナの後遺症について「感染性は消失したにもかかわらず、他に明らかな原因がなく、急性期から持続する症状や経過の途中から新たに、または再び生じて持続する病状全般」と定義する。
ヒラハタクリニックは、2020年10月に後遺症外来を開設し、今年3月下旬までに新型コロナの後遺症患者約3600人が受診した。そのうち約3500人に聞き取りをした。症状の最多は倦怠感(93.7%)で、気分の落ち込み(86.6%)、思考力の低下(83.1%)、頭痛(80.2%)が続く。不眠や嗅覚・味覚...
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