小学生の全国大会「意義あるのか」 室伏長官が柔道の大会廃止に見解

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勝利至上主義を考える

 スポーツ庁の室伏広治長官は19日、定例の記者会見で、全日本柔道連盟が極端な勝利至上主義を懸念して小学生の全国大会を廃止したことについて、「成長期に無理な減量や体重増があってはならない。そうした指導を過熱させないための考えだと受け止めている」と見解を述べた。

 若年層の全国大会については「個人的な意見」と前置きしたうえで、「早い段階から全国大会をやることに意義があるのか。小学生で全国1位と言っても、その時点では競技人口がそもそも少ない場合もある。真の全国1位は、やはり高校生以上でないと選ぶことはできないのではないかと思う」と疑問を投げかけた。

 さらに「子どもの頃は一つの種目に偏るよりは、いろいろなスポーツを体験していただきたい。そのなかで、将来は本当に好きなスポーツをやればいいと思う。強制ではなく、健全で楽しめるスポーツ。生涯スポーツとしての取り組みが重要になってくる」と話した。

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2022年4月19日17時45分 投稿
    【解説】

     子どものスポーツはどうあるべきか。室伏長官の明確なスタンスを示した発言だと思います。  昨年からスポーツ庁で行われてきた「運動部活動の地域移行に関する検討会議」でも、室伏長官は「様々な競技をベースにエンジョイできるよう、生涯スポーツにつ

    …続きを読む