工場火災で6人死亡の三幸製菓、賃金などの書面を不交付の疑い 新潟
米菓メーカー三幸製菓の荒川工場(新潟県村上市)で2月の深夜、1棟が全焼し従業員6人が死亡した火災で、同社がパートの清掃員だった4人に対し、労働時間や賃金などの労働条件を記載した書面を交付していなかったことがわかった。口頭で伝えただけだったといい、書面などによる明示を義務づけた労働基準法に違反する可能性がある。
三幸製菓をめぐっては、同じ荒川工場で1988年以降に8件の火災が起き、夜間の避難訓練を行わないなど、防火管理の不備が相次いで明らかになっている。今回、新たに労務管理の面でもずさんな実態が浮き彫りになった。
三幸製菓などによると、亡くなった4人は荒川工場で、せんべいなどの製造ラインで使う機械の清掃を担っていた。製造工程で生じる米菓のかすは、そのままにしておくと熱せられて発火する恐れがあるという。
勤務は夜間の2~3時間ほど。製造ラインが止まる休憩時間に合わせて入るため、日によって時間帯は変わった。不規則なことから工場のほかの仕事より賃金が高く、1人の遺族は「時給1500円ぐらいだった」と証言する。
ただ、同社はこうした労働条件を口頭で伝えるだけで、書面で渡すことはしていなかったという。取材に対し、「今後必ず是正すべき事項の一つと認識している」としている。4人以外にも同様の事例があるかは「差し控える」とした。
「口頭伝達はトラブルの可能性」と指摘も
労働基準法は、始業・終業時…
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