秘密結社ばりな。
削除されたメッセージはこの世から消え、誰にも読まれることはないと思っていました。それなのに、まさかFacebookでは削除済みメッセージを読む術があったかもしれないなんて…。
メッセージ用の抜け穴ツール?
Metaの元従業員Brennan Lawson氏が、Facebookに削除済みメッセージを読むプロトコルが存在するとして、Metaを訴えました。Lawson氏は、2018年、Facebookのコミュニティ運用におけるリスク&対応エスカレーションシニアスペシャリストとして勤務。米GizmodoがLawson氏に取材したところ、職場では幼児虐待などを含む「ひどいコンテンツ」を見ることが多かったといいます。Lawson氏の訴えによれば、2018年のチームミーティングで、「バックエンドプロトコル」と呼ばれるユーザープライバシー設定を回避して、削除済みメッセージ(Messenger Kidsアプリも含む)を読めるようにするツールが出てきたといいます。
このツールは、Metaの通常バックエンドを介さずにMessengerのデータにアクセスする抜け穴ツールであり、Lawson氏いわく、警察などの法的要請(参考人や容疑者によるメッセージなど)があったときに使われていたといいます。
Lawson氏は、チームミーティングでこのツールに意義を唱え、それからしばらくして解雇されたといいますが、Meta側はアドミンツールの不正使用が解雇理由としており、真正面からぶつかり合う姿勢に。
もし、Lawson氏の訴えが正しければ、Facebookはユーザーを裏切っていたということになります。法的にも、2012年に連邦取引委員会がユーザーデータ利用告知の不正確さについてFBに改善を求めたのに反することになりますし、EUの一般データ保護規則にある忘れられる権利にも反くこととなります。
Meta担当者は「訴えは事実無根であり、全力で自己を守る手段をとる」とコメントしているものの、米Gizmodoの質問状には無回答。また、Lawson氏の弁護士チームも取材には返答がありませんでした。
Lawson氏は、Metaに対して補償金300万ドル(約4億1000万円)を求めています。