華やかな功績を支える裏側も。
NASAは毎年恒例の「Photographer of the Year」コンテストの入賞作品を発表しました。今年で4回目となる同コンテストは宇宙局内の才能あるフォトグラファーを称えるもので、ドキュメンテーション、ポートレート、人と場所の4つのカテゴリーを設けています。
印象的な宇宙飛行士のポートレートや発射の準備が整ったロケットの姿など、出品写真はすべてNASAに勤めるフォトグラファーが2021年に撮影。先週ツイッターで公開されたばかりの各カテゴリーの優勝作品、さらには2位と3位を受賞した作品をどうぞ。
NASA宇宙飛行士、Thomas Marshburn

NASAのフォトグラファーJosh Valcarelさんは、Thomas Marshburn宇宙飛行士を捉えたこのモノクロ写真でポートレートカテゴリーの最優秀賞に輝きました。昨年、SpaceXのCrew-3ミッションで国際宇宙ステーションに向かったベテラン宇宙飛行士です。
疑似月面を歩く

ドキュメンテーションカテゴリーの1位を飾ったのは、ジョンソン宇宙センターにある月の地面の状態を模したRock Yardで月面地質学タスクを評価中のKelsey YoungさんとTess Caswellさんを撮った1枚。この開発テストはNASAの探査船外活動(xEVA)プロジェクトの一環で、夜間に行われます。
“振動するテーブル”を調整中

Denny Henryさんによる人カテゴリー第1位の写真は、メリーランド州グリーンベルトにあるNASAゴダード宇宙飛行センターで工学技術者Ryan Fischerさんが振動テーブルにフォース・ゲージ・リングを締めている姿を収めたもの。このデバイスは観測衛星PACEの衛星バスの振動テストで使われました。華やかな写真ではありませんが、滅多に見られないNASAの重要な一面を見事に捉えています。
風洞

Dominic Hartさんが撮影した、幅120フィート(36.5m)高さ80フィート(24m)に及ぶNational Full-Scale Aerodynamic Complexの壮観なショット。建物の足元に写っているのは、他ならぬ米海軍の曲技飛行チーム「ブルーエンジェルス」の面々です。場所カテゴリーで最優秀賞を獲得しました。
NASA宇宙飛行士、Jonny Kim

ポートレート写真2位に輝いたのは、高高度与圧服を着たJonny Kimさんの姿を収めた作品。彼は高度6万フィート(18.3km)超を飛行可能な「WB-57」航空機の中で、このスーツを着用しました。
宇宙服のアンテナ・テスト

場所カテゴリーで2位を受賞したのは、この現実離れした写真。被写体は未来の宇宙服「xEMU」のプロトタイプで、B14無響室内でアンテナのテストを行っているところです。この宇宙服はNASAのガス・グリソム宇宙飛行士に敬意を表して、xGUSと命名されました。
“イーグル”に乗って

「F-15 Eagle N897NA」に乗るNASAのパイロットを捉えたこのショットで、NASAフォトグラファーのJim Rossさんは人カテゴリー3位を獲得。
打ち上げられる前のDART

場所カテゴリーで3位になったのは、二重小惑星方向転換試験(DART)を積んだSpaceXのFalcon 9ロケットの写真。フォトグラファーのBill Ingallsさんが2021年11月23日の朝、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地の複合発射施設で撮影しました。探査機DARTは方向転換試験の一環として小惑星にわざと衝突するため、現在、ディモルフォスへ向かっています。